6月8日は「世界海洋デー」。海洋は地球上の生命の揺りかごであり、全人類が共に守るべきものである。しかし、海洋生態を公然と破壊する者達がいる。昨年4月、日本は福島原子力発電所の原発汚染水を海洋に放出すると発表した。日本国内や国際社会から疑問や反対の声が絶えない中、今年5月18日、日本の原子力規制機関は福島第一原発の原発汚染水の放出計画を審査のうえ承認した。東京電力は来春から長期間かけて原発汚染水を太平洋に放出する計画だ。中央テレビ網が伝えた。
しかし、原発汚染水は本当に海洋に放出すればそれで済むものなのだろうか? 専門家は、原発汚染水は海洋生物を汚染するとともに、魚類の回遊を通じて海洋全体に拡散され、世界の海洋環境の安全、国際公衆衛生システム、周辺諸国の人々の基本的利益を著しく損なうと指摘する。ドイツの科学機関は、日本の発表したスピードで原発汚染水を放出した場合、57日足らずで太平洋の半分が汚染されると推算する。
原発汚染水は海洋放出以外に可能な処分方法がないのか?中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長によると、日本の経産省は以前、地層注入、水蒸気放出、地下埋設、海洋放出を含む5つの案を示し、最終的に海洋放出を選択した。この方法が最もコントロール可能で、低コストに抑えられるからだ。この問題において、日本のやり方は非常に無責任かつ利己的なものだ。自国の財政難を(口実に)利用して、災いを近隣諸国に押し付けるこのような手法を取ってはならない。これは国際社会の支持するルールではないはずだ。
原発汚染水を海洋に放出する日本の行為は、海洋環境に深刻な脅威を与えるだけでなく、「海洋法に関する国際連合条約」「原子力事故又は放射線緊急事態の場合における援助に関する条約」「原子力の安全に関する条約」などの国際条約や国際法の原則にも違反している。
中国国際問題研究院の蘇暁暉副研究員は、「日本は事あるごとに米国と足並みを揃えて、いわゆるルールに基づく秩序を口にする。だが、原発汚染水海洋放出の問題であれ、安全保障、軍事、戦略などの問題であれ、こうした国々がルールを語る時、そのルールは彼ら小集団のルールまたは身内の行動規範に過ぎず、国際ルールでないことは明らかだ。そのため原発汚染水海洋放出の問題においても、そうした国際ルールを強引に持ち出すような行為による悪弊が見られる」と指摘する。
海洋は人類共通の財産であり、共生するふるさとであり、人類の持続可能な発展や前途・命運と密接に関係している。福島原発事故による原発汚染水の海洋放出は、全人類の生存環境と健康に関わる大問題であり、日本の内政ではない。日本は、このやり方が全世界の海洋環境に深刻な危害を及ぼす恐れを明確に知りながら、安全な処分手段を尽くすことなく、ただ海洋放出して済ませようとしている。このような不透明かつ無責任なやり方は受け入れられず、地域諸国や国際社会の信用も得られないだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年6月9日