中国の科学者が「冷熱ダブル吸収」材料を開発 「ダブル炭素」と宇宙探査に有望

人民網日本語版 2022年05月20日10:19

「冷熱ダブル吸収」材料の吸収面(左)と放射面(右)(画像提供は中国科学技術大学)

日中は環境温度を170°C上回り、夜間は環境温度を20°C下回り、外部のエネルギー消費を必要としない……中国科学技術大学の裴剛教授、鄒崇文研究員らはこのほど、それぞれ太陽・宇宙を熱源・冷熱源とする「冷熱ダブル吸収」材料を研究・製造した。24時間連続でエネルギーを捕捉・利用でき、地球の温室効果の改善、宇宙基地へのエネルギー供給などで効果を発揮する見通しだ。新華社が伝えた。

人類は太陽光を利用し、太陽光発電や太陽熱温水器などを開発している。一方で、太陽放射を利用した冷却は近年、世界の新たな科学研究のホット分野になっている。

裴氏と鄒氏のチームは、「スマート自己適応性」を示す二酸化バナジウムのコーティング剤を研究・製造した。日中は太陽放射により金属態になり、熱エネルギーを吸収する。夜間は絶縁状態で、熱を宇宙に放射することで冷エネルギーを吸収する。

実測によると、同材料の表面温度は日中は環境温度を170°C上回り、夜間は環境温度を20°C下回り、24時間・全天候型で稼働できる。太陽熱エネルギー及び宇宙冷エネルギーを効果的に捕捉・利用する新たな道を切り開いた。

国際的な学術誌「米国科学アカデミー紀要」がこのほど、同成果を掲載した。

裴氏は、「我々の主な技術的なブレイクスルーは、光熱変換と放射冷却に存在する赤外スペクトルの衝突を解決するとともに、各自の性能を強化し、同じ材料において『冷熱同体』を実現し、スペースとコストを最適化したことだ」と述べた。

「冷熱ダブル吸収」材料はその技術的特徴により高い将来性を持ち、二酸化炭素排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標達成、温室効果の緩和などに対して積極的な意義を持つ。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年5月20日

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