2022年度の大学卒業生は1076万人の規模に達し、過去最高を更新する見込みだ。今年の卒業生の就職状況はどうだろうか。中国新聞網が伝えた。
希望月収が6259元に低下
求人サイトの智聯招聘が発表した「大学生就職力調査研究報告2022」によれば、回答した新卒大学生で「今年の就職活動は非常に厳しいと感じる」とした人は61%に上り、21年を6ポイント上回ったという。
今年の卒業生は非常に現実的で、就職への期待を自ら引き下げている。回答者の55%が「経済環境などの外部要因の影響を受けて期待を引き下げた」とし、「期待を引き上げた」とした人は27.2%にとどまった。
データを見ると、今年の卒業生の希望月収は平均で6295元(1元は約19.4円)となり、21年の6711元から約6%低下した。そのうち4千元以下とした人は12.8%を占め、21年の8.9%を上回った。6千元以上は44.6%で、21年の50.8%を下回った。ここから、賃金面の要求を引き下げて雇用市場に適応しようとしている卒業生の姿が浮かび上がる。
雇用契約に署名した新卒大学生を見ると、契約書にある賃金(月収ベース)の平均は6507元で、21年の7395元から12%低下した。そのうち1万元以上の人は10.7%で、21年より8.5ポイント低下した。
国有企業の人気が上昇中
就職先としてどのようなタイプの企業を志向するかをたずねたところ、卒業生は真っ先に国有企業を挙げ、21年の42.5%を上回る44.4%を占めた。
同報告によれば、国有企業の人気と公務員試験ブームの高まりから、今年の卒業生が就職活動でより安定志向が進んでいることがうかがえ、これは新型コロナウイルス感染症の後で国有企業が大学生の求人を増やしたことと関係がある可能性がある。
同時に、今年の卒業生は零細企業を志向する人が3.6%で21年の1.8%を上回り、小規模企業を志向する人は34.4%でこちらも21年の28.7%を上回った。雇用の圧力が拡大し就職が厳しさを増す中での現実的な選択肢だと言える。
大学院受験ブームに続き 博士受験ブーム到来か
教育部(省)が発表したデータによると、22年の全国の大学院入試には457万人が志願し、前年比80万人増加し、5年前との比較では256万人増加した。大学院受験の人気が高まって卒業生が就職活動の時期を先に延ばし、仕事を探すプロセスを遅らせるようになった。卒業生の中には大学院入試の成績を見てから就職活動を始める人もいる。
同時に、博士受験ブームが到来している可能性がある。22年には修士課程の大学院生で「中国国内で研究を続ける」とした人が11%を占め、21年の4.3%を目に大幅に上回った。
同報告は、「一方で、中国国内で博士号を持つ人がまだ不足していること、博士の賃金レベルはその他の学歴と比べると明らかに優位性を持っていることから、修士の多くが博士受験を選ぶようになっている。他方で、修士卒業生の就職を見送る一つの選択肢かもしれず、大学院入試ブームが徐々に博士受験ブームに広がるのか、今後の展開が注目される」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年4月27日