北京市門頭溝区斎堂鎮爨底下村には、曲がりくねった古い道に沿って中国伝統的家屋建築の四合院が建ち並び、情緒あふれる景色が広がっている。北京朝陽区から遊びに来たという李堂さんは、「子供を連れて、にぎやかな都市を一時離れ、どこか懐かしく静かな雰囲気を楽しむというのは本当に気分がいい。爨底下村は、伝統的な古い村の趣をうまく活用して、観光客向けに、『古村』をテーマにした観光ルートを打ち立てている。ここを観光することは、楽しいだけでなく、意義深い」と話す。人民日報が報じた。
中国では現在、アグリツーリズムが、多くの人に休暇のバケーション先を提供しているほか、近場旅行や日帰り旅行の選択肢を増やし、さらに、農村部の消費や観光市場の回復を牽引する新勢力となっている。
旅行サイト・同程旅行のビッグデータによると、2021年に中国でアグリツーリズムに出かけた人の内訳は、目に見えて若年化し、90後(1990年代生まれ)や00後(2000年以降生まれ)の観光客が急増した。なかでも00後の延べ人数は17%増だった。北京市や上海市、江蘇省、浙江省、広東省などでは、週末の1日、または2日を利用して農村にいって「プチバケーション」を楽しむというのが、人々の間で高い人気を集めた。
四川省成都市新都区三河村には、緑化された美しく、のどかな景色のほかに、整然と建ち並ぶ各種レストランもある。そして、村の奥へと進んでいくと、緑広がる自然の中に張られた白いテントのほか、星空が見える球形のコテージが並んでいて、人目を引く。スタッフによると、「星空が見えるコテージからの眺めはとてもよく、かなり早い時期から予約しておく必要がある」という。
2013年に再開発される前の村の舗装されていない土の道を映した写真を見て、成都市新都区三河村・党総支の譚傑書記は、「8年前、村がこれほど美しくなると言われても、信じられなかった。ごく普通の小さな田舎の村が、人気の観光地になるよう、当村はアグリツーリズム発展の面でいろんな工夫をした」と振り返る。
村の林盤(成都平原および丘陵地域の農家の敷地およびその周辺にある高木、竹林、河川および外をとりまく耕地などの自然環境を融合させた農村居住環境)資源63ヶ所を整理したり、音楽・文化クリエイティブプロジェクト24プロジェクトを実施したり、ヴィラ5軒を建設したり、「星空音楽フェスティバル」や「民歌・民間音楽コンサート」といったイベントを開催したりするなどして、同村を訪れる観光客の数は年間延べ20万人以上となり、観光消費は3000万元(1元は約18.1円)に達するようになっている。
近年、アグリツーリズムは、その強大な市場の優位性や新興産業の活力、巨大な牽引力を活かして、村民の雇用促進や居住環境改善、デジタル農村建設、インフラ整備といった面で大きな成果を上げている。 (編集KN)
「人民網日本語版」2022年2月15日