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7時間以上並ぶ人も! 新中国式スイーツが爆発的人気のワケは?

人民網日本語版 2022年01月28日15:51

人気商品を買うために「列に並ぶ」ことには、一種の中毒性があるのかもしれない。一時期、一世を風靡したココアパウダーが表面にたっぷり振り掛けられているパン「髒髒包」を購入する熱意や、人気スイーツ店「鮑師傅」の商品を買うために列に並ぶ「忍耐力」を今、中国式スイーツを販売する「墨茉点心局」や「虎頭局渣打餅行」、「瀘渓河」に注ぎ込んでいる若者が、中国で急増中だ。

昨年11月、「虎頭局渣打餅行」の北京1号店が北京五棵松の華熙liveにオープン。「1度は食べてみたい」と、2時間かけてやって来る人も多い人気店となっている。

「墨茉点心局」も同年12月に、北京のショッピングモール・西単大悦城内で盛大にオープン。店員が掲げる待ち時間を示すプラカードには「3時間」と書かれることもざらで、一番長い時では「7時間半」と書かれることもあるほどの人気だ。列に並んで買えるのならまだしも、結局買えないというケースさえ生じている。湖南省長沙市で誕生した「墨茉点心局」の商品を買おうと、多くの若者が週末にもかかわらず朝早くに布団から出て列に並ぶようになっているものの、一部の若者は「列に並んだのに買えなかった」という「がっかり感」を体験しているのだ。

さらに、以前は北京には進出していなかった「瀘渓河」でさえ、今は数店を同時オープンさせるほどの勢いで、北京で店舗を増やしている。

「レトロ」や中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド「国潮」、「手が込んだ作り」といった流行に関する全ての要素を、これら中国式スイーツはほぼカバーしており、若者が利用するSNSにおいて中心的地位を占めるようになっている。派手なデザインで、かつ「国潮」テイストに仕上げられたこれら店の紙袋をぶら下げて歩くことで、その若者のイケてる感がより表せているようにさえ見えるほどだ。

新中国式スイーツは何が新しい?

若者が春節(旧正月、2020年は2月1日)に帰省する際に買う土産には、老舗菓子店「稲香村」や老舗レストラン「杏花楼」、「広州酒家」などのスイーツ商品がよく選ばれる。一方、友達と街に出かけたり、コーヒーを飲んだり、集まったり、事務所で同僚に配ったりする場合、こうした伝統の中国式スイーツの場合、やや仰々しく見えてしまう。

「墨茉点心局」は本来ならこぶしほどの大きさの餅菓子「麻薯」を、碁石ほどの大きさにして、さらに、コーヒーやイチゴ、マスカットといった若者好みの味を揃えている。また、シュークリームやエッグタルトなど、ほとんどの商品がバラ売りされている。コンパクトで、持ち運びしやすいことや手の込んだパッケージなどが売りで、新中国式スイーツは、「おやつとして気軽に食べてもらう」というのがそのコンセプトだ。1個当たりの価格も10-30元(1元は約18.0円)と、リーズナブルな設定になっており、多くの人が気軽にトライすることができるようにもなっている。

そして新中国式スイーツのもう一つの重要な要素は「国潮」だ。

「虎頭局渣打餅行」の創業者・胡亭氏は以前、「店名に含まれている『局』という漢字には、庶民的で、親しみやすい感じが元々含まれており、遊び心がある」と説明しており、「墨茉点心局」というのは伝統文化からつけられた名前で、人々を、うっそうと茂る竹林の中を、孤独に敵を討ち狙う一匹オオカミというまるで武侠小説のような東洋の世界に引き込んでくれる。

ネオンが光る看板に、若者好みの個性的なデザインの紙袋、どんな角度から撮影しても見栄えが良いというのもその特徴だ。スイーツにそれほどはまっているというわけではなく、写真を撮るために買うという若者も少なくない。商品以外に、新中国式スイーツは、多くの文化的価値を提供し、いろんな思いを抱く若者が、これらのブランドを通じて自分の個性をPRし、自分のイメージを作り上げることができるようサポートしているのだ。

一方で、100年以上に歴史を誇る老舗ブランドも、新中国式スイーツの躍進を黙って見ているわけではない。例えば、「稲香村」は、若者をターゲットにした人気ブランドとのコラボ商品を打ち出したり、一部の店舗をお菓子を作る作業場がガラス越しに見えるようにリニューアルしたりしている。また、新たにオープンした旗艦店「稲香村零号店」は「国潮」の要素がたっぷりつまっている。別の老舗ブランド「祥禾餑餑舗」も、カロリー控えめの商品を打ち出している。

こうしたネット上で話題となっている店に足を運ぶ若者たちのエネルギーは十分だが、その選択肢も増えるばかりだ。ベーカリー業界はハードルが低く、どんなにおいしい麻薯を作り、並んでも買えないロールケーキを作り出したとしても、他のブランドにすぐにコピーされてしまうことは免れられない。新中国式スイーツにとっても、生き残りをかけた戦いの道のりはまだ続くことになるだろう。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年1月28日  

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