8月17日に開催された中央財経委員会会議で3回目の分配が提起され、広い注目を集めた。今回の会議で3回目の分配を提起したことにどのような重要な意義があるのか。どのような重要なシグナルを発しているのか。
3回目の分配とは何か?
会議では、「国民を中心にした発展思想を堅持し、質の高い発展の中で共同富裕を促進し、効率と公平性との関係を的確に処理し、最初の分配、再分配、3回目の分配が協調的に配置された基礎的制度を構築する」と指摘された。
中央財経委が3回目の分配を提起するのはこれが初めてではない。2019年、中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議では、3回目の分配の役割を発揮し、慈善事業など社会公益事業を発展させることを重視する方針が打ち出された。20年には、同委員会第5回全体会議で再び、3回目の分配の役割を発揮し、慈善事業を発展させ、所得と富の分配の構造を改善することが打ち出された。
所得分配は経済社会の発展における重大問題であり、国民の切実な利益に関わり、改革発展の安定した大局に関わるものだ。最初の分配や再分配と比べ、3回目の分配は概念の中身、分配に関わる者、分配の価値の方向性などで明確な特徴がある。
1994年に、有名な経済学者である北京大学の厲以寧教授が著書「株式制度と現代市場経済」の中で3回目の分配に触れている。厲氏によれば、市場を通じて実現する所得分配は「1番目の分類」、政府調達によって行われる分配は「2番目の分類」、個人の意思により、習慣と道徳の影響の下で可処分所得の一部または大部分を寄贈するものを「3番目の分配」という。
「学習時報」が20年1月に掲載した「3回目の分配:中身、特徴、政策体系」は、「『3回目』は時間的に必ずしも最初の分配、再分配の後にくるとは限らず、実践の中では三者が交互に行われ、同時に行われてもぶつかり合うことがない。ボランティア的労働と最初の分配が同時に発生することもあれば、再分配よりも先に寄贈が発生し、税金が減免される場合もある」と指摘した。
どのような重要なシグナルを発しているか?
浙江大学の文系ベテラン教授で、北京師範大学所得分配研究院執行院長を務める李実氏は取材に対し、「3回目の分配はこれまでの政府文書の中でも言及されているが、今回の会議ではこれまでと違い、重要な位置に置かれ、分量もより多くなった」と述べた。