雲南省でアジアゾウの群れが北に向かって移動を続け、世間の注目を集めているが、今月15日午後6時から16日午後6時にかけて、ゾウの群れは北西に向かって迂回しながら14.3キロ移動した。移動した距離は直線距離でわずか2.6キロで、易門県十街郷付近に留まって活動を続けている。群れからはぐれて11日目になるオスのゾウは、群れから東の直線距離にして19.7キロの晋寧区双河彝(イ)族郷内で活動を続けている。ゾウ15頭は全て監視範囲におり、無事移動を続け、死傷者も出ていない。雲南省人民政府網が報じた。
易門県、晋寧区の現場指揮部は同日、緊急対策のための人員や警察98人を動員したほか、ダンプカー226台、パワーショベルなどの建設機械13機、緊急車両64台、ドローン16機を投入。さらに、住民547世帯2061人を避難させた。また、ゾウにエサを1.2トン与えた。
前線指揮部の劉紹宏副指揮長は、「現時点で、ゾウにとって最も重要なのが『お腹いっぱいエサを食べられること』。これが、ゾウの群れの今後の移動ルートを判断する重要な手がかりになる」と説明する。ゾウが必要とするエサの量は非常に多いため、エサになる木や植物はすぐに食べつくしてしまい、すぐにエサを求めて他の場所に移動する。そのため、固定の場所で生活するということはほとんどしない。そして、気候や環境、季節などの要素に合わせて、次に移動する方向を決めている。また、群れからはぐれた小ゾウと群れの距離はどんどん離れており、群れに戻ることができるかは、今の所全く予想が付かない状態だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年6月17日