中国の孔鉉佑駐日大使は12月3日、日本国際貿易促進協会の旬刊「国際貿易」紙の単独インタビューに応じ、中日関係に関する質問に答えた。在日本中国大使館ウェブサイトが伝えた。
【記者】中日間にはすでに、互いに融け合って切り離せない、相互依存的で互恵・ウィンウィンの経済・貿易関係が形成されている。しかし、強化され続ける両国間の経済的・貿易的結びつきと異なり、両国の国民感情には悪化傾向が生じている。11月に実施された中日共同調査では、中国に対して良くない印象を持つ日本人が89.7%にまで増え、中日関係を非常に重要と考える割合も初めて70%を割り込んだ。大使は、なぜこのような現象が生じたと考えるか。
【孔大使】中日両国は地政学的に近く、利益が深く融合し、民間交流が緊密だ。すでに両国間の人的往来は年間延べ1000万人を突破し、貿易額は3000億ドル(1ドルは約104円)を超え、在中日本企業は3万社を超えている。このように緊密な交流は、世界的にも非常にまれだ。中日両国は元々異なる国であり、両国関係には複雑な歴史もあれば現実的利益もあると同時に、国際社会から様々な影響も受けている。中日関係の健全で安定した発展の実現には、両国の民間友好が不可欠だ。そのため、我々は両国の国民感情の改善に尽力し続けてきた。たとえば、新コロナウイルス感染症の発生後、両国の民衆は新型コロナとの闘いをめぐり積極的に連動し、「山川域を異にすれども、風月天を同じうす」という友好の章を共に記した。中国大使館は日本各界の団体訪中を後押しし、日本側と共に「チャイナフェスティバル」などのイベントを開催して、日本の一般市民が本当の中国を知り、中国の民衆と直接交流する機会や場を提供しようと努め、一定の成果も挙げた。たとえば、近年、中国民衆の日本に対する印象が改善されたことがその証だ。
残念なことに、日本国内の中国に対する印象は依然として悪いままの状態だ。この現象をもたらしている原因は複雑で多様だ。第1に、中国が急速に発展して、とうに以前とは違うのに、日本はまだ全く新しい中国を受け入れる準備が整っていないことに原因がある。第2に、国際社会の影響だ。情報化時代においては、日本の民衆が中国を見る目に、どうしても他国の対中認識が影響を与える。第3に、中日両国自身に原因がある。中日関係には敏感なファクターがいくつか存在する。溝を適切にコントロールできるか否かは、両国の民間感情の良し悪しに関係してくる。また、中日には体制、路線、価値観など多方面で相違が存在するため、同じ問題の取り扱いにおいて異なる手法を取ることが往々にしてあり、日本国民としては感情的に受け入れがたいところもある。全般的に見て、これは非常に複雑な社会的問題であり、一概に論じることはできない。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年12月25日