北斗が集中的に「コール」された時間帯は、6月24日の午後9時30分から午後10時30分。画像は千尋が提供
中国・北斗3号の最後のネットワーク構築衛星が先月23日に打ち上げに成功し、「北斗コール」と呼ばれるアプリがネット上で流行した。このアプリを使うとすべてのユーザーはリアルタイムで北斗衛星データを取得でき、自分の所在地で何基の北斗衛星がサービスを提供してくれているかが分かる。7日のうちに世界の1700万人以上がこのアプリで北斗を「コール」した。中国新聞網が伝えた。
「北斗コール」がネット上で大人気となった。衛星測位及び測量業界の専門的な科学者は転載・共有する際に、同アプリが興味深いだけではなく「強力的」であることに驚いている。ユーザーに非常に豊富な北斗衛星データを示す上、そのデータが100%信頼できリアルタイムのものだ。
広東省は中国で人口が最大の省であり、楽々とトップを占めた。北京市と上海市もランクインし、番狂わせになった。人口がいずれも2000万人余りとその他8省を大きく下回るため、北京と上海ではユーザーの参加率がより高いことになる。
全国で北斗を「コール」した省・直轄市ランキング。画像は千尋が提供
海外では14万3242人が北斗を「コール」した。IPアドレスは米国、カナダ、豪州が最も多かった。同アプリは中国語版で、中国語が理解できなければ使えない。そのためこのランキングは、海外の華人・華僑、留学生が多く使っているとみられる。
海外で北斗を「コール」した国ランキング 李佳佳撮影
北斗が集中的に「コール」されたのは6月24日の午後9時30分から午後10時30分にかけてだ。わずか1時間で同アプリのアクセス数は360万595回に達し、北斗を「コール」した人数は136万2589人に達した。
赤道地域の北斗コールの優位性が示された、中国の広東省、海南省、台湾地区、南沙諸島のユーザーは、29基の北斗衛星を容易に「コール」することができた。
千尋位置のアルゴリズム専門家である汪小汪氏は、「衛星の大半が赤道付近を周回している。またその他の衛星測位システムと比べると、北斗3号はアジア太平洋により多くの衛星を提供している。赤道上空で静止する静止軌道衛星が3基多く、対地同期傾斜軌道衛星3基と共にアジア太平洋地域の上空で絡み合うように周回している。これによりアーバンキャニオン及び中国高緯度地域のユーザーの測位結果の信頼性をさらに保証している。そのため赤道地域付近のユーザーはより多くの北斗衛星を検索できる」と述べた。
同アプリを開発した千尋位置が建設した北斗地上強化システムは、現在世界最大かつ密度が最高の衛星地上強化システムだ。その中核技術、チップ、アルゴリズムも千尋位置が独自に研究開発したもので、独自のもので制御可能だ。
北斗3号グローバルシステムの建設に協力するため、千尋位置は年内に200カ所の世界フレームステーションの設置を完了する。北斗衛星の信号を受信し、独自開発のアルゴリズムと結びつけることで、インターネットと衛星の2ルート発信により、海外のユーザーに動的・準メートル級及び静的・センチメートル級の高精度測位サービスを提供する。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年7月3日