英国メディアが引用したデータによると、中国は今や英国とフランスを抜いて、世界5位のファンドの登録地になった。新型コロナウイルス感染症が引き起こした経済低迷に直面しながら、まだ成熟していない中国の投資部門は驚異的なスピードで成長を遂げているという。
英国紙「フィナンシャル・タイムズ」電子版が6月28日に伝えたところでは、2020年1-3月には、中国のファンドが世界の投資市場に占めるシェアが目に見えて増加し、欧州ファンド・アセットマネジメント協会(EFAMA)と米投資会社協会(ICI)が作成する四半期ファンド登録地ランキングでの順位も前回の10位から5位に上昇した。中国はフランス、英国、日本、オーストラリアなどの「老舗」資産管理市場を追い抜き、世界のファンド投資の4.1%を集めた。昨年末には、世界のファンド資産に占める中国の割合は3.2%で、英国は3.3%、フランスは3.7%だった。
米国は世界最大のファンド登録地で、市場の47.9%を抑えている。以下、ルクセンブルク(8.8%)、アイルランド(5.8%)、ドイツ(4.6%)が続く。これらは、世界におけるマネーマーケットファンド(MMF)を含む、監督管理を受けるオープン型ファンドに関するデータだ。
報道によると、世界の投資ビジネスに大きな変化が起きている今、この転換からあまり注目されてこなかった中国ファンド市場の位置づけが際立ってくる。グローバル投資業界は3月の市場で投げ売りが行われた時期に投資家が大量に流出する、資産価格が大幅に落ち込むといった打撃を受け、さらに感染症の危機が続き新たな変動が起きるのに備えて準備もしなければならない状況だ。
長年にわたり、ファンドマネージャーの間では中国が世界で最大の単一の成長チャンスだとみなされ、中国の準備資産が大幅に増加すると予想されてきた。
報道の指摘によると、ファンド、独立系投資信託、その他の資産管理商品を合わせて考えると、中国は米国と英国に次ぐ世界3位の資産管理市場となる。しかしデロイトトーマツコンサルティングのパートナーであるケイシー・クオーク氏は、「中国は来年には英国を追い越すだろう」と予想する。モルガン・スタンレーとオリバー・ワイマンのアナリストは、「2023年には、中国の資産の基礎がこれまでの5兆3千億ドル(1ドルは約107.5円)から9兆ドルに増加する」と予想する。
EFAMAのシニア研究主管のベルナルド・デルベック氏は、「中国のランキング上昇の背後にある主な要因は、3月の投げ売り状況の中で大量の資金を集めたMMFが中国国内のファンドの50%以上を占めたことだ。これは3月の株式市場暴落が中国に与えた損失が他の多くの国よりもかなり小さかったことを意味する」と述べた。
デルベック氏は、「中国の今後の世界ファンドランキングに占める地位は株価の変化、および中国人投資家がMMFへの投資に興味をもち続けるかどうかによって決まる」との見方を示した。
しかしデータ提供業者のブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズによると、「感染症が不確実性をもたらしたが、中国ファンド市場の成長は引き続き非常に力強いものになると予想される」という。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年7月3日