胡林旺氏は湖南省人民病院の神経外科医で、開頭術の熟練度と精度を高めるために、10年間にわたり毎日ドリルを使い、生卵の殻に字を刻んでいる。最初のころはなかなかうまくいかず、40日余り練習して、鶏卵を100個以上割ったのち、ようやくほぼ割らずに字を刻めるようになった。胡氏は現在では楽々と卵の殻に文字をはっきり刻めるようになり、しかも卵殻膜はまったく破れていないという。人民網が各社の報道をまとめて伝えた。
湖南省人民病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科副主任医師の周建波氏は、2本の綿棒で食事する様子を微信(WeChat)に投稿し、同病院従業員の間で注目を集めた。出前に箸がついてこなかったのだろうか?しかし実際には、指の柔軟性を養うため意図的にこうしたのだった。
周氏は、「外科医にとって、指の柔軟性は手術の精度を大きく左右する。小さな綿棒で食事をすることでこれを鍛えられる。物が小さいほど細かい動きが求められるからだ」と話す。当初は慣れず、1度の食事に通常の1.5倍の時間がかかっていたが、現在は箸を使った時とほぼ同じ時間になっている。さらには両手で同時に4本の綿棒を使い食事ができるようになった。
綿棒で食事をするほか、周氏には縫い針で葡萄の皮を縫うという特殊技能もある。周氏は特別にやって見せてくれた。まず刃物で葡萄の皮を切り開き、それから手術用の曲がった縫い針と糸を使い、葡萄の皮の方向を揃え、縫合し、糸を結ぶ。周氏の巧みな手の動きにより、葡萄の皮は破れなかったばかりか綺麗に縫い合わされた。「この訓練方法は、手・目・脳の協調、指の力の正確な把握に効果的だ」という。
外科医が熟練した医療技術をマスターするためには、数え切れないほどの練磨が必要だ。卵の殻に文字を刻むほか、南昌大学第二附属病院の葉敏華医師は、髪の毛とほぼ同じ太さの縫合糸により卵殻膜を縫合できる。これにより頭蓋底硬膜修復術などの練習ができるという。また、塗偉医師は鶏手羽の血管を縫合することで、脳血管疾患の操作の熟練度を高めようとしている。
神経外科医はさらに、内視鏡を使い唐辛子の種をつかむ技術操作を練習している。これは主に下垂体腫瘍の低侵襲手術を想定しているという。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年6月12日