新型コロナウイルス流行期間中、飲食や文化・娯楽、トレーニング・研修機関などの業界では休業を余儀なくされた労働者も多かった一方、デリバリーなどの業界は人手不足になるほど多忙となった。そんな中、デリバリープラットフォーム・「餓了麽(Eleme)」が公表した統計によると、調理師やスポーツジムのトレーナー、航空会社のグランドスタッフなどが副業としてデリバリー配達員を始めている。今年1月下旬から6月初めの期間、Elemeでは、累計で配達員120万人に仕事を提供した。兼職の配達員の月収は平均2900元(1元は約15.10円)となっている。工人日報が報じた。
上海金融・法律研究院の研究員・劉遠挙氏は、「デリバリー配達員は、ギグエコノミーの代表。新型コロナウイルス流行が原因の摩擦的失業を解決するのに役立つ。そして、雇用を安定させる面でも重要な役割を果たす」との見方を示す。
ある航空会社のグランドスタッフ・童さんは、「最近、航空業は一定の打撃を受け、副業でデリバリー配達員をすると、本業に影響もないし、経済的プレッシャーも軽減できる」と話す。
童さんのようなデリバリー配達員は多くいる。副業でデリバリー配達員をしている人の16%の月収が4000‐6000元、8%が6000元以上に達している。
統計によると、新型コロナウイルス流行期間中にデリバリー配達員を始めた人のうち、22%が工場の労働者、16%が個人事業者だった。また、本業が農業、サービス業、物流業のデリバリー配達員の世帯所得は、デリバリー配達の仕事に大きく依存するようになっている。
国研新経済研究院の朱克力執行院長は、「産業のモデル転換・高度化が進むにつれて、サービス業が占める割合が上昇の一途をたどっており、伝統的な小売業界などはデジタル化、スマート化の方向に向かって発展しており、オンラインとオフラインが深く融合し、オンライン配送業界も大量の雇用を創出していく」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年6月12日