中国国家鉄路集団有限公司(以下、国鉄集団)は、中国全土の鉄道で農民工(出稼ぎ労働者)専用列車第一号を2月16日から運行して以来、農民工専用列車29本および専用車両136両で3万人以上の出稼ぎ労働者を輸送したことを明らかにした。近く、専用列車73本と専用車両155両も運行される。新華社が伝えた。
国鉄集団旅客輸送部の黄欣主任は出稼ぎ労働者の勤務地へのUターン業務を確実に遂行するため、鉄道部門は次のような各措置を講じていることを明らかにした。
1)輸送プランをスムーズに遂行。地方政府マンパワー部門や雇用企業と積極的に調整を行い、操業再開をめぐる手配や出稼ぎ労働者のUターン需要をしっかりと把握し、「需要に応じた運行」を徹底する。車両・職員・設備の事前準備を怠らず、防疫物品を配備し、いつでも指令に対応できる体制を整えておく。
2)「地点から地点」輸送を実行。出稼ぎ労働者がかなり集中する出発地と到着地については、「地点と地点」を繋ぐ専用列車・専用車両を運行する輸送方法を採用し、通過する他の駅での乗客の乗降を行わない。
3)「専用通路」を設置。出稼ぎ労働者を対象に団体乗車券を発行し、安全検査・改札出札・検札・待合など各ポイントに「専用通路」を設け、乗客同士は一定の間隔を開けるなどの措置を講じ、人が集中するような状態を避け、スムーズな乗車・下車を可能とする。
4)防疫措置を厳格に実施。乗車前の列車の消毒・換気・清掃作業を徹底する。乗車する出稼ぎ労働者に対して、全旅程でマスクを着用するよう指示し、他の乗客との接触が生じないように注意を払い、車内での移動・交流を可能な限り減らし、乗降駅での体温測定と乗車中のサンプリング体温測定を実施する。車内には隔離席を設ける。
5)乗車中のサービス実施を徹底。車内アナウンスで防疫に関する基礎知識を放送し、出稼ぎ労働者に防疫関連知識ガイドを配布する。食堂車での集中した食事提供は行わず、QRコードスキャンによる食事注文サービスを実施する。
黄主任は、「これまでに運行した専用列車は、雲南省・貴州省・四川省から広東省・上海市・浙江省方面に向かう列車、江蘇省・安徽省・河南省から上海市浙江省方面に向かう列車、広西壮(チワン)族自治区・湖南省から広東省方面に向かう列車が多かった」と紹介した。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年2月24日