北京国際園芸博覧会(北京世園会)のロゴマーク「長城の花」は、それぞれ違う色をした6枚の花弁が、世界各国が園芸の盛会に参加することを象徴している。110の国家・組織と120以上の非政府団体が今回の世園会に出展し、ユニークな特色を持つ国際展園を共同で形成する。国際展園の美しさは、どこに見出すことができるのだろう?来園者は海外に出ることなく旅行体験を実現できるのだろうか?記者がその会場を訪れ、取材を進めた。新華社が報じた。
北京世園会国際館の東隣に、真っ白い枠組式の建物がある。周囲には苗木畑が一面に広がっており、花の若苗がすくすくと育っている。これは、国際展園のオランダ展園だ。
オランダ展園のガーデナーを務めるブリアンナさんは、「中国とエコロジー理念を共有し、生態環境保護の生活環境を実現したい。展園の配置では、オランダのフラワーガーデンの持ち味を活かし、最新品種のチューリップやヒヤシンスなど、大量のオランダ産植物を伝統的な田園や屋上フラワーガーデンなどの要素を再現し、生命力に溢れたグリーン都市という新たな理念を打ち立てた」と話した。
英国展園に足を踏み入れると、小さなフラワーガーデンが目に飛び込んできた。ガーデンに植えられた植物には秩序があり、英国式園芸の立体感が醸し出されている。建物の西側入り口には、来園者の休憩・鑑賞用に立体バーカウンターが設置されている。
英国の展園プロジェクトマネージャーを務めるニックさんは、「我々は、園芸の進化プロセスを表現しようと試みた。展園は、フリー設計というコンセプトによって作られているが、施設の配置転換という使用ニーズにも対応している。園内には計90種類以上、6千本以上の植物が植えられている。植物の栽培には図面を使用せず、ガーデナーが現場で、植物を1株ごとに所定の位置に基づいて植物の品種・色・高さを配置し、郊外・都市・畑という3種類の英国風フラワーガーデンのスタイルが表現されている」と述べた。
英国ガーデンの植物仕入担当中国側プロジェクトマネージャーの黄華洲さんは、「植物の品種を選ぶ時、我々は寒さに強いという気候対応力を考慮した。英国ガーデン側から提供された植物リストに基づき仕入れを行い、全ての植物が英国式ガーデンのスタイルを備えているよう配慮した。北方で生長するための条件に適していない植物があった時には、似た品種で気候適応力のあるものに替えた」と説明した。
国際展園のエリアを歩いていくと、「園芸と生活」をテーマとする日本園やインド園なども目に入った。また、現代園芸と伝統園芸が合わさった英国ガーデンやドイツガーデンなどもあった。さらに、園芸とハイテクが結びついたカタール展園やアラブ首長国連邦(UAE)展園など、伝統文化と園芸建築を融合させたアフリカ連合(AU)展園もあった。各国の風土・人情と花・樹木が溶け合い、「和して異なる」美しい景観が表現されている。園展の外には、人と自然の調和ある共生および生態文明の共同建設というエコシーンが、全世界規模で展開されている。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年4月30日