税関総署は12日、今年第1〜3四半期の輸出入の状況を説明する記者会見を開いた。税関のまとめた統計によれば、2018年1〜9月に、中国の貨物貿易の輸出入総額は22兆2800億元(1元は約16.2円)に達し、前年同期比9.9%増加し、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆4400億元の黒字で、黒字額は同28.3%縮小した。このうち9月の対米輸出入額は4055億4千万ドルで同13.1%増加し、輸出は3193億1千万元で同16.6%増加した。「北京商報」が伝えた。
税関総署の李魁文報道官(統計分析司司長)は、「全体としていえることは、今年に入ってから中国の対外貿易の運営状況は全体的に安定し、安定の中で成長し、対外貿易の質の高い発展が秩序をもって推進され、国際経済貿易の分野にはなお一部の不確定性や不安定要因が存在し、特に中米経済貿易摩擦が中国の対外貿易の発展にある程度の困難さや打撃を与えはしたが、直接的な影響も間接的な影響も全体ではコントロール可能だ」と述べた。
年初以来、米国は中国からの輸入品2500億ドル(1ドルは約112.1円)分に追加関税を課した。だが最新のデータによると、貿易摩擦による二国間貿易への影響はまだそれほど顕在化していない。今年第1〜3四半期には、中国の対米輸出入が3兆600億元に達し、同6.5%増加し、中国の対外貿易全体のうち13.8%を占め、米国は引き続き中国にとって2番目の貿易パートナーだ。
商務部(省)国際貿易経済協力研究院国際市場研究所の白明副所長の分析によると、「(米国の)直近の2千億ドル分の追加関税が9月24日に発動されたが、発動される前に、多くの中国企業が駆け込みで輸出を急ぎ、米国企業も駆け込みで輸入を急いだということがあり、これが客観的にみて対外貿易データを後押しした。最近は人民元が値下がりし、外貨換算の効果で輸出企業のコストが低下し、客観的にみて輸出を促進したということもある」という。
李報道官も、「中国は減税、費用引き下げ、通関地のビジネス環境の最適化による越境貿易円滑化促進など一連の措置を相次いで打ち出しており、こうした対外貿易を安定的に成長させる一連の措置がこれから徐々に効果を現していくとみられる」と述べた。
李報道官は未来の対外貿易の発展状況について、「目下の国際環境に不安定要因がなお多くあること、中米経済貿易摩擦がエスカレートし続けていること、最近になって主な国際機関がグローバル成長予測値を相次いで引き下げたこと、さらには昨年第4四半期の中国の対外貿易輸出入規模が第3四半期に比べて5%増加し、比較の対象となる数値が高くなったことなどから、今年第4四半期の対外貿易輸出入の増加率は鈍化する可能性がある」と予想した。
白副所長はこうした予想を受けて、「輸出では、製造業のモデル転換・バージョンアップを加速させ、対外貿易のモデル転換・バージョンアップのために着実な基礎を打ち立てるべきだ。同時に市場の多様化を重視することも必要で、とりわけ『一帯一路』(the Belt and Road)各国の市場の多様化を重視する必要がある。また貿易円滑化を土台として、ECの発展や市場調達を拡大するなども注目すべき重点であり、自由貿易試験区や粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市圏)を含むすべての地域が、対外貿易成長の原動力を強化することになるだろう」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年10月15日
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