「ダブル12」(12月12日のネット通販イベント)はもともとEC業界の一大決戦だったが、今年は決済をめぐる争奪戦が繰り広げられた。12日には各種オフライン決済のキャンペーンがめまぐるしく展開され、消費者がいろいろな「クーポン」を活用するようになった新しい流れの中、決済競争が盛んに行われた。「北京晨報」が伝えた。
約1ヶ月前には「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)があり、後には正月が控えているため、実際のところ、毎年の「ダブル12」にそれほど大きな発展の可能性があるわけではない。ただ今年はオンラインでもオフラインでも大幅な割引きや優待サービスが打ち出されており、5割引きも珍しくなかった。
支付宝(アリペイ)を利用するとお年玉がもらえるキャンペーンが今月9日に始まり、銀聯のさまざまな優待キャンペーンは来年3月まで続く。両社の優待サービスはグルメ、スーパー、オンライン商店などをカバーするものだ。
EC業界の戦いに由来する「ダブル12」だが、今やEC業界だけのものではなくなった。例年と異なり、今年は支付宝、微信支付(WeChatペイメント)などの第三者決済機関が参入したほか、銀聯も動き始めた。
「ダブル12」の前日、銀聯は現行のアプリケーション「銀聯銭包」を「雲閃付」(クイックパス)にバージョンアップし、銀行やEC企業などの協力パートナーと連携して統一的決済プラットフォームを構築すると発表した。優待レベルではこれまで大きな動きをみせなかった銀聯だが、今年は支付宝に引けを取らない優待サービスを打ち出した。
2015年以降、支付宝や微信支付がオフライン決済市場に大挙して押し寄せ、QRコードによる決済の習慣を急速に植え付けていった。銀聯はその頃、近距離無線通信(NFC)をよりどころとしてモバイル決済市場に進出を始めてはいたが、当時はNFCモジュールを搭載した携帯電話が少なかったこともあり、充実したモバイル決済の機能を打ち出せているとはいえなかった。だが今年の銀聯はQRコード決済を手がけるようになっただけでなく、さまざまな場でアプリを活用して、顧客のロイヤリティの向上をはかろうとした。
クレジットカードに詳しい董■(山へんに爭)さんは、「銀聯は今、支付宝と微信支付に学んでいるところだ。支付宝と微信支付の登場・発展が、決済産業の競争局面を変えつつあるということは認めざるを得ない。こうした変化は形から考え方に至る幅広い変化だ。銀聯はどの程度反撃できるかはわからないが、反撃を開始したことは確かだ」と話す。
とはいえ、業界関係者の中には、「今やユーザーの習慣はできあがっており、銀聯は動くのが遅すぎた。反転攻勢をかけるのはおそらく難しいだろう。それぞれにそれぞれの優位性があり、今後の決済分野での戦いはより多様になるだろう」との見方を示す人もいる。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年12月13日
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