米国のトランプ大統領が習近平国家主席の招待で8日から中国を公式訪問する。国際情勢が大きく変化し、調整される中、世界最大の発展途上国と先進国である中米の関係は新たな歴史的チャンスを迎えている。(文:阮宗沢・本紙特約論説員、中国国際問題研究院常務副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
第1に、中国の特色ある社会主義が新時代に入った。習近平氏が中共中央総書記に再選され、今回の北京「トップ対話」によって新時代の中米首脳外交の構図が完成する。ティラーソン米国務長官は首脳会談について、中米関係の今後半世紀の発展の方向を定めるものだと指摘した。北京での中米首脳会談は両国関係及び関心を共有する重大な国際・地域問題について戦略のベクトル合わせを行う。これは新時代の中米関係の健全で安定した発展の推進、アジア太平洋地域と世界の平和・安定・繁栄の促進にとって重大な意義を持つ。第19回党大会閉幕翌日、トランプ大統領は習主席との電話会談で「第19回党大会は世界が注目し、私も習主席の発する重要な政策メッセージを注視した」と表明した。ジョン・ケリー米大統領首席補佐官は先日インタビューで「中国は強国だが、だからといってわれわれの敵にはならない」と述べた。双方の相互同意が深まり、相互期待が高まり、今後の一層の関係発展への自信が強まっていることが見てとれる。
第2に、中米関係がバランス・調整の新段階に入った。今年1月のトランプ大統領就任以降、中米関係は平穏な過渡を実現し、両国首脳は緊密に交流してきた。マールアラーゴ会談、ハンブルク会談、そして北京会談。習主席がトランプ大統領と顔を合わせるのはこれで3回目だ。しかも両氏は電話会談を8回行っている。このように緊密な上層部交流は実に異例だ。中米外交・安全保障対話、包括的経済対話、社会・文化対話、法執行・サイバーセキュリティー対話という4つのハイレベル対話制度の初会合はいずれも順調に行われ、早期収穫を得た。これは協力の増進、溝の管理・コントロールに寄与する。今回のトランプ大統領訪中について言えば、「国賓としての訪問+」という高い格式が新時代の中米首脳会談の新たな快挙となり、新時代のより良い中米関係を築く両国の決意と行動を代表している。
第3に、中国の発展は世界のチャンスであり、同様に米国のチャンスだ。中国はかつてない決意と力で改革の全面的深化を推し進めており、引き続き開放によって改革と発展を促し、互恵・ウィンウィンの開放戦略を揺るがず遂行し、対外開放の質とレベルを高め続ける。そしてこの過程が世界に提供しうる空間は巨大だ。歴史的に見て、中米関係の発展は中国の改革開放と共振してきた。これは両国指導者の戦略先導のおかげであり、歴史的に肝要の時に方向を修正し、中米関係の安定的発展の恩恵が両国民に及ぶようにすることは、平和的発展という世界の潮流にも符合する。中米関係はゼロサムの関係ではなく、共通利益が溝を上回る。
今日歴史はまた新たな転換点に到達した。中米両国は一朝一夕を争う精神で未来を計画し、共通認識を拡大し、小異を残して大同につき、協力・ウィンウィンを図るべきだ。習主席は、米側と相互尊重・互恵を基礎に両国関係の長期的で健全な安定した発展を推し進めたいと強調した。そして安定して発展する力強い中米関係は、中米が21世紀において手を携えて世界の平和と発展の大事業に提供する最大の公共財となる。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年11月9日
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