▽年内にもレストラン2万店で「厨房公開」実現の予定
趙さんはグルメをこよなく愛する若い女性。最近彼女は自身の微信(WeChat)のモーメンツに、「レストランの入口付近に設置されたスクリーンに映し出されていたのはCMでもなく、厨房のライブ配信。とても素晴らしい!」という文章と共に、彼女が望京のあるレストランの入口で撮影した厨房の状況がライブ配信されているスクリーンの写真を投稿した。
このひそかな変化に気づいたのは、趙さんだけではない。多くの人が、レストランの入口付近にスクリーンが設置されており、厨房内の調理過程をリアルタイムで見れる現象に気づき始めている。北京青年報の記者が同市の食品薬品監督管理局から得た情報によると、現在厨房を公開しているレストランは北京市内16区に分散しており、その総数はすでに17584店以上になっているという。
海淀区中関村の食宝街は、周辺のサラリーマンがよく食事をする場所だが、このエリアのレストランでは全店スクリーンを設置しており、客は食品の調理過程を自分たちの目で見ることができる。豊台区馬家堡付近にあるキャピタランドモールでも同様に全レストランにスクリーンが設置されている。
同市の食品薬品監督管理局責任者は、「厨房の可視化は、北京市における『陽光餐飲(サンシャイン・レストラン)』プロジェクトの重要なコンテンツの一つだ。食品の調理過程と主な過程を全面的に可視化し、消費者にリアルタイムで見せることで、飲食サービスの食品加工の全過程を監督し、市民の食品の安全委対する信頼を向上させるのが目的」とした。
「厨房の動画」で厨房の姿を公開したことは、多くの人々を驚かせたが、市民の「舌の安全」をさらに保証するため、食品薬品監督管理局はレストラン厨房をスマホにライブ配信するというさらに大胆な策を用いている。責任者の段志永氏によると近日中にも、「北京陽光餐飲アプリ」が登場し、スマホでレストラン厨房のリアルタイムでのライブ配信が行われ、食品加工の過程を公開するのだという。消費者はアプリを通じて、レストランの雰囲気、サービス、料理、厨房の環境についてレビューを書くこともできる。また、レストランの営業許可証やスタッフの健康診断情報、食品薬品監督管理局の評価認定などもアプリを通じて公開される予定ということだ。
この北京市全体での陽光餐飲アプリのほかにも、同市東城区や西城区、海淀区などでも、区レベルでの陽光餐飲アプリを開発中だという。
北京市の2017年における重要民生プログラムの一つである陽光餐飲プロジェクトは、現在までに全市で同プロジェクトの導入を完了したレストランがすでに17584店に達しており、年度内のノルマを前倒しで達成している。また年末までには、陽光餐飲プロジェクトを導入するレストラン総数が約2万店に達するとみられている。
▽レストランの厨房公開は予想以上に順調
東城区の「簋街」は名高いグルメ街。「陽光餐飲」プロジェクト発足後の変化が注目されている。
今年6月、北新橋食品薬品所が同エリアのレストランに対し聞き取り調査を行った。その結果、食品の安全を高めるためのプロジェクトだと説明したところ、反対するレストランは一店もなかったという。その後、食品薬品所と地元政府、同エリアのコミュニティーは数回にわたり「陽光餐飲」の推進について会議で討論を重ねた。また簋街商会の会長も北新橋食品薬品所を訪れ、具体的な内容を理解し、積極的に協力するという態度を表明した。
北新橋食品薬品所の馬志勇氏は、「各方面の支持の下、レストランの厨房公開は予想より順調に進んでいる。レストラン側もビジネスを向上、促進させる良いチャンスだと捉えて協力してくれている」とした。
レストランがスピーディに「陽光餐飲」の要求をクリアできるように、北新橋食品薬品所のスタッフは業務時間を調整し、朝7時には各レストランに赴き、撮影設備の取り付けなどに協力した。そして同エリアが一番賑やかで、人が集まる夜の時間帯には、スタッフがレストランの人々に「陽光餐飲」の各種要求を説明したという。
厨房に取り付けられるカメラは最低でも3個以上を必要としている。一般的には、前菜調理エリア、メイン料理調理エリア、食材の下ごしらえエリアと食器洗浄エリアなどのエリアに取り付けられる。現在、北京市の「陽光餐飲」プロジェクトのカメラ取り付け作業は順調に進んでおり、「アップグレード」した後の同エリアを取材したところ、消費者の一人は、「スクリーンを通して厨房の状況を見ることができて、とても安心」と語った。
▽「陽光餐飲」プロジェクトは3年間にわたり段階的に完成目指す
「陽光餐飲」プロジェクトは今年5月に発足してから、順調な進捗を見せている。今年、北京市で「陽光餐飲」プロジェクトの導入を完了させた各種飲食サービス機関は合わせて17584店。
「陽光餐飲」プロジェクトは3年間にわたり段階的に完成目指す計画で、2017年に500ヶ所の小中学校、幼稚園、介護施設の食堂と3000社の飲食企業でのプロジェクト導入を完了させ、2018年に70%以上の飲食機関で同プロジェクトの導入を完了させる。そして、2019年までに北京市に点在する各種飲食サービス機関を基本的にすべてカバーすることを目指している。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年11月2日
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