VR界の「オスカー」と呼ばれるVRCORE開発者大会の授賞式が18日、北京で行われた。四川大学華西基礎医学・法医学院の「人衛3Dシステム解剖学」VR版が、最優秀応用賞と最優秀クロスオーバー賞にノミネートされた。同技術は全面的・立体的に人体構造を示し、人体の標本不足により学生に十分な学習機会を与えられないという不足を補った。華西都市報が伝えた。
◆VR技術による解剖実習
白衣を着用しVR装置を装着した生徒がスクリーンの前に立ち、教員が解説する。これは四川大学華西基礎医学・法医学院による「解剖実習シミュレーション」だ。生徒はVR技術によりスクリーン内の人体の各器官・構造を全面的・立体的に観察することができ、血管さえ一目瞭然だ。生徒はさらに器官を自分の目の前に近づけ、観察することができる。実習終了後はワンキーで器官を元の位置に戻す。生徒はリアルなシーンに身を置くことができ、すべての器官、さらには皮膚まで本物さながらだ。
この技術は開発から実習への使用まで、5年の時を費やした。
◆人体の標本不足を解消
解剖学は医学生の重要なカリキュラムだが、人体の標本がその制約要素となっている。生徒5-6人が1体を使用するのが理想的だが、標本が非常に貴重であり、かつ消耗品であることから、一部の医学部では数十人が1体を使用することもある。
多くの学校の解剖実習は長期的に、イラストや人体模型を利用してきた。しかしこの方法では人体構造を立体的に示すことができない。特に神経系の内部構造は、平面図では表現しにくい。
◆将来的には手術の実習に
デジタル解剖学は3つの段階を経てきた。まずは平面図、次に三次元への転換、それから現在のVR技術だ。人体構造はこれによりますますはっきり示されるようになった。
プロジェクト開発者によると、現在の技術では「触覚」の問題が残されている。生徒は現在、観察が中心となっている。将来的にはVRのメスを作成し、生徒はVRにより体の一部を自ら切り開くことが可能になり、よりリアルな実習を行うことができるようになるということだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年10月24日
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