リオ五輪を観戦するとき、個性的な解説者による解説が欠かせないことだろう。しかし解説者の職は、奪われてしまうかもしれない。男子バスケット中国代表は初戦で米国のドリームチームと対戦し、一風変わった「バスケ解説者」がファンから注目を集めた。これは五輪史上初の人工知能解説者と呼べる百度の人工知能ロボット、「度秘」だ。科技日報が伝えた。
これにより解説者が失業することはあるだろうか?実は、人間の解説者は「度秘」より長く、具体的で複雑な言葉を使い、試合の状況を表現できる。有名なバスケ解説者はデータや試合歴史上の有名な出来事などを引用したりすることに長じ、個性的な解説にユーモアなどを交え、さらに試合中にこれまでの展開を総括し、チームの戦術を分析することなども可能だ。これはまだ、「度秘」では実現できないことだ。
しかしながら、人工知能解説者にも独自の能力がある。ユーザーの設定に基づき、ある選手のプレーだけを伝え、カスタマイズされた解説サービスを提供できる。例えば易建聯選手が好きならば、「易建聯選手にだけ注目」を選択すれば、「度秘」は彼の競技場での動向、技術的な統計データなどを重点的に解説する。選手の競技場における一挙手一投足を随時把握することで、ファンの個性的な需要を満たす。
人工知能解説者を支えるのは、自然言語処理とビッグデータ技術だ。百度のエンジニアによると、「度秘」が人の言語を理解し表現できるようにするため、開発チームは人間の解説者の大量の解説データを学習させ、さらにベテランコメンテーターの楊毅氏に「弟子入り」させた。「度秘」が学習で身につけるペースは人を大きく上回り、2ヶ月も経たないうちによどみなく、いきいきと、専門的な解説ができるようになった。試合状況により調子を整え、盛り上げるべき所では盛り上げ、時おりユーモアを交えることができる。
それでも現状ではまだ人工知能解説者が人間の解説者の代わりにはなれない。しかし人工知能技術の発展に伴い、ロボットが生中継の解説を行う可能性が高まるだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年8月24日
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