ハンガリー自然科学博物館で展示されていた仏像の内部に「章公六全祖師」の肉身像が納められているというニュースがメディアで伝えられたが、オランダ側は20日午後に突然、仏像のブダペストでの公開を中止した。同仏像は匿名希望のオランダの個人コレクターが1996年、「合法的なルート」で購入したものだという。環球時報が伝えた。
同仏像は福建省大田県で盗まれた文化財ではないかとの推測が注目を集めている。福建省各級文化財部門が専門家を現地に派遣して、関連の状況を調査している。専門家たちは住民を訪問、関連の遺物の収集、歴史資料の調査などを通じて比較分析を行い、多くの価値ある情報と資料を集めた。特に現地に残されていた写真や家系図、衣類などの遺物や記載に対する調査により、同仏像は大田県から盗まれた章公祖師像であるという証拠がいくつか明らかとなっている。
これまで公開されている同仏像の資料や実地調査による大田県陽春村に残された章公祖師関連の遺物や記載から、福建省文化財局は基本的に、ハンガリー自然科学博物館で展示された仏像は1995年に大田県呉山郷陽春村から盗まれた章公祖師像だと認定している。
文化財部門は今後も引き続き調査を続けて関連情報や資料を充実させ、同仏像が大田県から盗まれた章公祖師像であることのさらなる証拠を提供する考えだ。同時に、福建省文化財局は上級主管部門に対して、正式なルートを通じて同文化財の確認と返還請求を行うよう働きかけていく。
祖師信仰は福建省南部の宗教信仰の重要な一部で、おおよそ北宋時代に形成され、元、明、清の時代に発展した。大田県呉山郷は以前の徳化県の管轄下にあり、福建省南部に位置する。章公祖師は仏法を究め、現地で数多くの修行地があり、縁の地も残っている。章公祖師は後に陽春青竜山へ移って庵に住み、現地で37歳の頃に入滅したと伝えられている。これはオランダの研究による仏像内部の肉身像の年齢に一致している。(編集YH)
「人民網日本語版」2015年3月23日