世界最大級の天体望遠鏡 銀河系の「国勢調査」を実施
中国国家天文台によると、中国国家重大科学プロジェクト「郭守敬望遠鏡(LAMOST)」のスカイサーベイスペクトルデータが公開された。観測データの分析により、銀河系および宇宙の形成と発展に関する認識が深まることが期待されている。人民日報海外版が伝えた。
◆中国が独自開発 口径が世界最大の望遠鏡
元代の有名な科学者である郭守敬の名が付けられた同望遠鏡は、中国が独自開発した世界で口径が最大の広視野望遠鏡だ。同望遠鏡は2012年9月28日にスカイサーベイを開始し、初のスペクトルデータを2013年8月26日に公開した。
郭守敬望遠鏡運行・発展センターのチョ耀泉副主任は、「スカイサーベイは宇宙の恒星を対象に実施する国勢調査のようなものだ。効果的なスペクトルデータがあれば、恒星の温度・表面重力・化学構成などの物理情報を導き出せる」と説明した。
チョ副主任は、「銀河系の恒星に関する系統的な研究は、現在まで実施されていない。その一つの主因は、恒星のスペクトルデータを取得することが困難であり、データそのものも膨大であることだ。同望遠鏡は、大口径・広視野が同時に実現しがたいという望遠鏡のボトルネックを解消した、スペクトル取得率が世界一の望遠鏡だ。毎回の観測で4000個の星のスペクトルを取得でき、十分な量のスペクトルデータ取得の可能性を示した」と語った。
2011年9月下旬より先行開始されたスカイサーベイデータを含め、同望遠鏡はすでに220万のスペクトルを公開しており、世界で現在までに実施されているスカイサーベイで得られたスペクトルの総数を上回っている。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年9月17日