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血液検査で自殺リスクの診断が可能に?

 米国の研究者は20日、血液中のタンパク質が人の自殺傾向を判断する一助になるかもしれないとの見方を示した。将来的に、血液検査により自殺のリスクを判断し、これを予防することが可能になるという。新華社が伝えた。

 米インディアナ大学の研究者は医学学術誌「Molecular Psychiatry」(分子精神医学)に発表した報告書の中で、「うつ病にかかった患者や自殺者は、血液に含まれるSAT1などのタンパク質の水準が大幅に上昇する」と報告し、SAT1などのタンパク質が生理的記号として自殺リスクを測定できる可能性を、初めて原理的な面から示した。

 研究者は数十人のうつ病患者を3年間に渡り追跡調査し、3−6カ月おきに患者を訪問し、血液検査を行った。研究の中で、過去には一度も自殺を考えたことがなかった9人の患者に、強い自殺傾向が見られた。遺伝学的な手段による測定の結果、9人の患者の体内に含まれるSAT1などのタンパク質の水準が高めで、これが自殺の傾向と関連する生理的シグナルである可能性が極めて高いとされた。

 この発見を裏付けるため、研究者は現地の検死局と提携し、自殺者の血液検査を行った。その結果、自殺者の血液に含まれる同タンパク質の水準が、同様に高いことが明らかになった。研究者はさらに2組の被験者の試験を行い、SAT1などのタンパク質の高い含有量と、これらの被験者の将来的な自殺と関連する入院治療の間に、関連性があることを確認した。

 研究者は、「研究結果により、SAT1という生理的記号は現在の自殺リスクだけでなく、長期的な自殺リスクとの直接的な関連性を反映することが明らかになった。しかし同研究の被験者はいずれも男性で、男女の性別差によって差がある可能性もあるため、さらなる研究によりこの発見を裏付ける必要がある」と語った。

 医学界は同成果に高い関心を示している。しかし多くの同業者は、「同研究はサンプル数が少なく、しかもそのすべてが男性であり、代表性を持たない。また圧倒的多数の自殺者は、自殺の前に通院することはなく、一回の試験だけで完璧に予測できる可能性は低い」と疑問を呈した。(編集YF)

 「人民網日本語版」2013年8月22日

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