中国第三世代原子炉 メインパイプの開発に成功
中国が独自開発した第三世代原子炉「ACP1000」の鍛造メインパイプが5月17日、山東省煙台市で中国機械工業聯合会および山東省科学技術庁の組織した専門家チームの審査に合格した。葉奇蓁院士を主任とする専門家委員会は、「同メインパイプは材料・加工技術の面で画期的な進展を実現し、主な技術指標が世界先進水準に達した」との見方を示した。この試作の成功により、中国はACP1000のメインパイプに関するすべての技術を把握した。科技日報が伝えた。
メインパイプは原子炉の8大重要設備の一つで、原発の「大動脈」と称されている。第二世代と比べ、第三世代原発は安全性が高く、設計上の寿命も40年から60年に延長された。そのうち最大の変化の一つは、加工技術が鋳造から鍛造に変わったことだ。
ACP1000鍛造メインパイプは、中核集団中国核動力研究設計院が設計し、煙台台海瑪努爾核電設備股フェン有限公司が生産した。双方が2011年年末に協力協定を結んだ後、瑪努爾公司は2012年6月より正式に開発・生産を開始し、わずか半年余りの期間でメインパイプのすべての製造を完了した。同メインパイプは超低炭素防窒素ステンレス全体鍛造技術を採用し、以下のような画期的な進展を実現した。
▽材料の成分を調整し、独自の製錬技術を用い、材料の性能を高め、世界トップ水準にまで高めた。
▽独自開発のベンディング金型と世界最先端の冷却・ベンディング・成型技術を採用し、高精度のベンディングを実現した。
▽世界に先駆けて原発メインパイプ製造で材料注入孔加工技術を採用し、材料の利用率を大幅に高めた。
瑪努爾公司は開発の過程において、材料製錬から鍛造・ベンディング・熱処理・機械加工に到るすべての工程を担当し、先進的な設備と全面的な加工技術、第三世代原発メインパイプ全フロー生産能力を有する世界唯一の企業になった。
ACP1000は中国が独自に開発し、独自の知的財産権を持つ第三世代100万kW級先進圧水原子炉技術で、安全性能が極めて高い。ACP1000は中国が原発大国から原発強国に向かう象徴的な製品であり、中国原発の海外進出、「中国製原発」ブランドの樹立にとって重大な意義を持つ。ACP1000は福清原発5・6号機の技術をベースにし、パキスタンなどの国家に輸出される予定だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年5月20日