ユーザーのためにタクシーを配車し、お年玉をプレゼントし、列車の切符を購入する――インターネット企業は近頃、すさまじい勢いでユーザー争奪戦争に加わっている。この「戦争」は春節(旧正月)が近づくにつれピークに達し、人々を夢中にさせている。これに加わらなければ、便利な生活とボロ儲けのチャンスが、他者に奪われてしまうかもしれないからだ。北京晨報が伝えた。
春運(春節に伴う帰省・Uターンラッシュ)のビジネスチャンスは石油タンクに落ちた火の粉のようなもので、インターネット業界のあふれんばかりの創造力に火をつけた。インターネット企業は決して「模範的人民」ではない。彼らは「無料」と「サービス」によりユーザーを導き、その影響力をパソコンや携帯電話以外に拡大しようとしているのだ。
しかし、彼らの「サービス精神」は称賛されるべきだ。いかにして新規ユーザーを獲得するか、いかに新規受注を獲得し、ユーザーの需要に耳を傾ける「SNSネットワーク」の思考回路を獲得するか――これは競争の激しいビジネス社会が、私たちに贈る新年のプレゼントだ。
メディア論者のマクルーハン氏はかつて、「新しい技術は人体の延長のようであり、社会の変化を引き起こす」と指摘した。私たちはこの「戦争」の受益者であり、変化を遂げた新しい生活が午年の春節とともに姿を見せようとしている。
◆鉄道切符の争奪、鳴り響く通知音
鉄道の切符に余りがあれば、切符購入アプリが報告してくれる。1月のオフィスビル内では、事務所のあちこちでアプリの「通知音」が鳴り響き、人々が画面の前で狂喜もしくは失望するといった光景が良く見られた。
春運に関する報道でメインとなるのは鉄道駅だ。メディアのカメラは依然として、寒風の中、徹夜で列に並ぶ労働者の姿に注目している。しかしその列を良く見ると、若者の姿が減っていることに気付かされる。
切符購入アプリが受けている非道徳的という非難は、昨年よりずいぶんと少ないようだ。2013年12月より、捜狗、奇虎360、UCなどの各企業が宣伝を開始し、中国鉄道部が新設した公式の切符予約サイト「12306」さえも、「その他のオプション」の中にリアルタイム更新、自動注文といった「切符争奪サービス」を追加した。