中国の外貨買取専用資金が増加 経済発展への期待を反映
中国中央銀行(中国人民銀行)が10月21日に発表した金融機関人民元信用貸付収支表によると、9月末の金融機関の外貨買取専用資金残高は27兆5179億5400万元に達し、8月末の27兆3915億9200万元から1264億元増加した。米ウォール・ストリート・ジャーナル誌は同日、「中国金融システムへの外貨流入は9月で2カ月連続となり、国際資本の中国経済への期待の高まりを反映し、同時に米国の金融政策引き締め時期の延長による影響を示した」と伝えた。環球網が伝えた。
同誌の記事の内容は下記の通り。
ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズは中央銀行の発表したデータを元に計算し、中国金融機関の外貨買取専用資金残高が8月に273億2000万元、9月に1264億元増加したと判断した。今年5月末より資本が新興市場から流出し始めた。米連邦準備制度理事会のバーナンキ議長は当時、同理事会が債券購入計画の引き締めを間もなく開始することを暗示した。しかしインドやインドネシアなどの経済国と比べ、中国の資本外部流出は小規模となった。
米連邦準備制度理事会の刺激策引き締めの時期が、市場の予想より遅れているため、資本流出の状況はすでに資本流入に変化した可能性がある。ジャネット・イエレン氏が次の議長に選ばれるという情報も、量的緩和策が直ちに終了する可能性を引き下げた。アナリストは、一部の資金が影響を受けやすい新興経済国から、中国にすでに流入した可能性があると分析した。
バンクオブアメリカ・メリルリンチのエコノミストの陸挺氏は、「投資家は資金をインド・インドネシアなどから引き揚げる中、一部の資金を中国に投じている。彼らは中国が危険な投資先とは考えていない。資本の流入は、人民元相場を押し上げるだろう」と指摘した。
長期的に見ると、中国の経常項目の黒字は変動の激しい資本流動とは異なり、元高の中でより忠実な支援者になる。一部のアナリストは、「経常項目の黒字の縮小に伴い、人民元相場はバランスのとれた水準に近づく」と語った。シティバンクのエコノミストの丁爽氏は、「元高を促す基本面の要素が現在弱まっている」と判断した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年10月22日