G20「通貨切り下げ競争しない」 米なお円安を容認 (2)
円安はまだ米国の経済的利益を損なってはいない。米シンクタンクのブルッキングス研究所のシニア研究員を務めるドメニコ・ロンバルディ氏によると、米国は引き続き円安を容認する可能性があるが、中国が外国為替市場に介入して自国の輸出の安泰をはかる可能性があるという点にこそ潜在的な問題があるという。
欧州は世界各国がさらなる財政赤字の削減に取り組むことを提起するが、米国の賛成は得られていない。今回の会議で、ドイツは米国に何度も圧力をかけ、米国は政府債務のさらなる増加を抑制するよう措置を取るべきだとしたが、米国は反対にドイツをはじめとするユーロ圏の各国が需要振興のためにより多くの措置を取るべきだと主張した。
ロス氏によると、今回の会議の結果をみると、先進国が通貨緩和政策の「囲みを解いた」ことにより通貨安競争がますます激しくなることが予想され、一部の新興国は警戒レベルを高めている。このような状況が拡大していけば、無制限の金融緩和政策が米欧などの先進国に反対の作用をもたらすようになり、経済のさらなる成長を推進しないばかりか、新たな経済的ダメージをもたらすことが予想されるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年2月18日