中国経済は持続的減速には陥らない 今後の流動性は豊富 (2)
■短期的な事件は流動性に影響せず
下半期のマネーサプライも依然引き締めなのだろうか?6月の流動性逼迫事件を念頭に、周総裁は「中期的に見て、全体的な流動性は豊富であり、短期的な事件によって大きな影響を受けることはない」と指摘した。「引き締めは正しいが、6月の流動性逼迫事件は、急に引き締めるのではなく、ゆっくりと進め、市場の反応に基づき微調整を行なう必要があることを示した」と孫氏は指摘。孫氏の見解では、下半期のマネーサプライは適度に緩和されるかもしれない。「下半期のM2増加率はおおかた15%を超えることはない。以前の17%は高かったが、12-13%まで減速した場合も実体経済は耐えられない」。
中金公司の彭文生チーフエコノミストは「最新のマネーサプライ政策の動向によって、経済成長の下押しリスクが制限され、穏健な金融政策が明確になった。過去数カ月間の比較的速い増加を理由に下半期にM2の増加率を13%にまで無理に圧縮することはないということを意味している」と指摘した。
問題のカギは、供給される通貨が本当に実体経済に回るかどうかだ。中金公司は「現在の通貨環境には矛盾が存在する。M2増加率、銀行貸付、社会融資総量などの拡大は比較的速いが、銀行の加重平均貸付金利、銀行間市場金利、実効金利は比較的高く、総需要の伸びを抑制している。人民元の上昇が速すぎることも同様に実体経済を抑制している。このため企業の直面する実効金利は比較的高い水準にあり、実体経済の回復の弱さを招いている」と指摘。孫氏も「M2の相当部分は流動しておらず、商工業企業に回っていない」と指摘した。