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卒業シーズン 高騰する家賃が若者の夢を阻む (2)

 大手求人情報サイトの中華英才網がこのほど発表した就活コスト調査によると、今年の大卒者の平均就活コストは5年前の5倍に達した。高額の就活コストのうち、求職者の88.7%は家賃が最大の支出だと回答した。高額の家賃の痛みを受け、ネットユーザーは生活水準を測る新指標「房格爾系数」(エンゲル係数をもじったもの)を創り出した。

 この人々の知恵により生まれた新語はその名の通り、家賃支出が可処分所得に占める比率で、家賃と所得の比較値としてとらえられる。エンゲル係数が「食」の水準を反映しているならば、「房格爾系数」は「住」の状況を示すことができる。

 賃貸住宅仲介業者の計算によると、北京・上海などの1線都市の一部地区の家賃が所得に占める比率は40%に達しており、南京などの2線都市の場合は30%以上に達する。瀋陽市の若者の「房格爾系数」は、20−50%が多い。ある大手ポータルサイトの調査によると、約87.98%の回答者は「現在の家賃を受け入れられない」を選択し、「受け入れられる」を選択した回答者は8.39%のみとなった。圧倒的多数のネットユーザーは、家賃がさらに高騰すると回答した。

 江蘇省社会科学院地域研究センターの王樹華氏は、「収入に占める家賃の比率は、25%以内が合理的で、25−30%が市民の許容範囲となる。30%を上回れば、家賃の圧力が深刻であることを意味する」と指摘した。

 大卒者の賃貸市場への大規模流入が、家賃を引き上げている原因の一つだ。専門家は、「多くの求職者は北京・上海・広州などの1線都市に押し寄せており、多くの住宅賃貸・購入の需要が生まれている。供給を短期間内に増加できない場合、家賃が自然と上昇する。賃貸用住宅の供給量は、1線都市で増加した人口の需要をすぐには満たせない。売り手が市場を主導する中、家賃高騰の流れを逆転させることは難しい」と述べた。

 「続騰する家賃は、消費者(特に低所得層)の利益を侵害しており、社会全体の所得分配の不均衡を深刻化させている」と指摘する声がある。高い家賃は内需低迷を招き、インフレを促し、消費のモデルチェンジ・アップグレードに一定の影響を生む可能性がある。家賃高騰の影響は全社会に波及する。

 ◆若者の夢を打ち砕く家賃の壁

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