クレジットカードを海外サイトで不正使用される事件が多発 (3)
中国人民銀行によると、周辺国のICカード移行の完了に伴い、こうした犯罪は中国国内に流れる傾向にあり、被害が拡大している。不法者が不法手段でATMを利用して銀行カード情報を盗み取り、カードを複製して金を盗むケース、または警戒心の薄い顧客が暗証番号やカード番号をショートメッセージ、電話、ネットなどを通じて何気なく他人に知らせてしまうケースが典型的だ。
だが、いわゆる「被害者」が実は犯罪者とぐるになって銀行を騙しているケースもあるため、こうした事件の責任の線引きは困難だ。中央財経大学法学院教授、中国法学会銀行法研究会理事の黄震氏は「銀行自身による立証は難しく、公安当局による捜査を経なければ具体的な責任をどう認定すべきかはわからない」と指摘する。「銀行はカード保有者にしかるべきセキュリティ措置を提供し、セキュリティ上の注意喚起をする責任を負うが、カード使用が本人の行為かどうかは公安当局による調査が必要だ」。
別のある弁護士は「こういった状況は複雑で、関係するのは1カ国だけでなく、各国の法律は異なるため、処理するのが難しい」と指摘した。
黄氏はカード保有者に使用時の情報保護対策を呼びかける。海外旅行時、特に同様の事件の多発地区では信頼できる店舗でカードを使用すべきだ。インターネット上でクレジットカードが不正使用された場合は公安当局に捜査し、証明してもらうべきだ。
近年こうした犯罪の被害に遭った時のための保険を提供している保険会社も多いが、多くの制限があるため自分の銀行カードに保険をかけるかどうかは、よく検討する必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年6月21日