中国気象局:「風雨を利用した煙霧拡散」2015年頃実現
中国気象局はこのほど、「『大気汚染防止行動計画』を貫徹実行するための実施法案」を発表した。これによると、全国各地の気象部門は、2015年までに、気象を人工的に操作し、大気の質を改善するための技術・能力を備え、汚染が深刻な天気条件のもとで、人工的に雨量を増やし、煙霧を拡散させるといった気象関連措置の実施を実現させる見込み。気象部門と環境保護部門が共同で展開している、省・市レベルの重大汚染天気警報は、全国各省(自治区・直轄市)をカバーするようになる。新京報が伝えた。
○大気の質改善のための主要手段は「人工増雨」
「雨を利用」することで大気の質を改善する方法は、数年以内に実現の運びとなる。同方案には、「人工的に天気を操作することで、煙霧を拡散させ、大気の質を改善する」計画が打ち出されている。
広く社会の注目を集める煙霧だが、一体どのような人工的なやり方で拡散させることができるのだろうか。中国気象局担当者によると、主に、人工的に雨量を増やす「人工増雨」という方法で、煙霧を拡散させるという。
同担当者は、「人工増雨とは、雨が降っている時に、飛行機やロケットを使い、ドライアイスや塩などの触媒を雨雲の中に散布し、雨の量を増やすというやり方を指す」と説明した。
○来年、北京・天津・河北エリアで重大汚染天気警報システム構築
「雨を利用」する以外に、将来的には「風を利用」して煙霧を拡散させることも可能となる。同方案によると、都市計画気候フィージビリティスタディ論証作業を展開し、2015年までに、モニタリング・評価・予報が一体化した、風力・太陽エネルギー資源を開発・利用した気象業務・関連サービス業務を実現させる方針だ。
中国気象局担当者はこれについて、「人工増雨と比べ、都市計画気候フィージビリティスタディ論証は、煙霧の拡散・減少に対して長期的な作用を及ぼすものだ」と説明した。
例としては、どの都市にも特有の風向きがあり、風が良く吹く場所に高層建築物などの障害物がない場合は、「風の通りみち」が必ず生じる。風は長距離を進み一気に「風の通りみち」を吹き抜け、都市の汚染された空気を運び出してくれる。
このほか来年には、重大汚染天気警報システムが北京・天津・河北エリア、長江デルタ地域、珠江デルタ地域に構築される。また、他の省(自治区・直轄市)においても、環境保護部門と協力し、省・市レベルの重汚染天気警報の発令が2015年までに実現する見込み。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年11月22日