中国の留学帰国者、86%が半年以内に就職 最新青書
中国・グローバル化研究センターや社会科学文献出版社、中国の大手ヒューマンリソース機構「智聯招聘」などが共同で出版した国際人材青書「中国の留学帰国者発展報告(2013)」によると、留学帰国者の86%が帰国して6カ月以内に就職先を見つけているという。同報告はまた、「留学帰国者が海外で学んだ専門知識や中国国内で人気の専門職業を結び合わせて考えると、留学帰国者の主な専門校学科は金融や経済、経営学、工学などで、これらの専攻学科は中国国内でも人気の専攻学科。需要が高く就職が簡単」と指摘している。工人日報が報じた。
同青書によると、留学帰国者の中でも、年齢の違いによって、出国時や帰国時の時代背景、思想、観念なども異なるため、帰国の理由にも差が出ている。うち、1980年代や90年代生まれの若い留学帰国者はほとんどが一人っ子で、兄弟姉妹がいないため、留学生とその家族は共に依存度が高い。そのため、「家族との生活」が帰国の主な原因になっている。
「智聯招聘」のヒューマンリソース首席専門家であるハオ(=赤におおざと)建氏は、「留学帰国者の多くが家族を理由に帰国しているが、彼ら自身の優位性は軽視できない。特に、世界や中国の経済の動向が変化している近年、中国は安定した経済成長を見せており、海外の留学生に多くの発展のプラットホームや発展の機会を与えてきた」との見方を示す。
また、帰国して就職している留学帰国者の半数以上が、留学は割に合うと考えている。留学帰国者は創造力や学科を超えた交流、イノベーション思考など面で多くの収穫があると見ているのだ。そして、留学帰国者の80%以上が自分の学識は同業の他の人よりレベルが高いと考えている。ただ、「留学帰国者」の「ブランド価値」は下がっているようで、調査によると、留学帰国者の77.5%が実際の収入は理想の収入より「低い」と答え、自分の希望額より「高い」との回答はわずか1.8%にとどまった。
さらに、同青書の調査によると、留学帰国者が留学時にかかった費用を回収するのに長い時間を必要としていることが分かる。例えば、48.8%が回収するのに「5年以上」と答え、11.1%が「4年」と答えている。一方、「1年」との回答は11.1%にとどまっている。この点、「智聯招聘」の専門家は、「帰国したばかりの人にとって、良い発展のプラットホームを選ぶことや職業計画を立てることは高收入のオファーよりもずっと重要。多くの留学帰国者が、留学時の費用を回収するのに5年かかっているが、職業計画を正しく立てれば、5年後はかなり前途が明るい」と指摘している。
同青書によると、留学帰国者の就職地は、主に北京や上海、広東省、江蘇省、浙江省、山東省など発展した15都市に集中している。また、最も人気のある業界は金融や関連のサービス業。48.5%の留学帰国者が同業界に就職している。
また、外資系企業の人気が高く、留学帰国者の4分の1以上が外資系企業を選択している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年11月14日