サボテンが電磁波吸収は都市伝説
「花うらら」、「星美人」、「胡蝶の舞」……、こんなロマンチックな名前を耳にしたことがあるだろうか?実はこれ、「多肉植物(サボテン)」の名前だ。「多肉植物」は、独特の形と色を特徴とし、ほかの植物とは違う魅力がある。そして、水を貯めることができる、肉厚な茎や葉という共通点がある。北京日報が報じた。
最近、中国ではちょっとした「多肉植物ブーム」となっている。多肉植物は普通の植物より、やや値が張るものの、それでも、多くの人、特にホワイトカラーの間で、人気となっている。そして、愛好家同士は互いを「肉友」と呼んでいるとか。一方、販売業者も多肉植物が、「パソコンの電磁波を吸収する」、「1年後には値段が倍に」などと宣伝しているため、多肉植物の値段が高騰している。そして、希少価値があるとされる輸入品の中には、1千元(約1万6千円)以上になっているものまである。
北京市内の花き市場を訪ねてみると、各種多肉植物を組み合わせた寄せ植えを、目の付きやすい場所に置いた店があった。そして、店主は、買い物に来ていた若者3、4人に、それを勧めていた。店主によると、「1日に数十鉢売れ、いい時なら100鉢以上。通常、1鉢100元(約1600円)前後」だ。さらに、多肉植物は、1年育てると、値段が2倍になるという。一方、別の店主は、自信満々に、「この種の植物の最大の魅力は電磁波を吸収すること。1日中パソコンに向かっているホワイトカラーにぴったり」とPRする。
では、多肉植物は本当に電磁波を吸収するのだろうか?北京林業大学の馮珞教授は取材に対して、「アカントケレウスなど、多くの多肉植物が電磁波を吸収するというのは完全な誤解。販売促進目的で、販売業者が広めた説にすぎない。また多肉植物は希少価値があるものでもない」と完全否定している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年6月6日