サッカーは実力勝負 「後ろ盾」に頼っても無意味
張吉竜氏が国際サッカー連盟(FIFA)理事に補欠で指名される可能性が高いというビッグ・ニュースが先週、中国スポーツ界を興奮の渦に巻き込んだ。各メディアは「アジア・サッカー連盟(AFC)の権威者」の言葉を引用し、「AFC理事会の過半数が、AFCとして張氏のノミネートを支持すべきとの意向を示している」と報じている。これにより、国民の大きな期待を担った張氏がFIFAの要職を担当する稀有の中国人となる可能性がぐんと高まった。環球時報が伝えた。
このビッグ・ニュースに多くの人が興奮を抑えられないようだ。中国代表は長い間、世界サッカー界での「後ろ盾」を持たず、損な役回りを演じてきた。古い例では第12回FIFAワールドカップ(1982年スペイン)地区予選で、中国は、ニュージーランドとサウジアラビアとの談合試合によって本大会出場を阻まれた。最近では、アジアカップのグループリーグ戦で、いくつかの中国チームがアウェイ戦で「特別扱い」を受けた。張氏は、中国代表が初めてFIFAワールドカップ最終予選に臨んだ時にAFCに在職し、力を尽くした唯一の中国人だった。この時の経緯から、多くの中国人の心に、「後ろ盾があれば好成績に結びつく」という考えが強化されただけではなく、張氏の新しい役職に対してより期待を抱くようになったのだ。
しかし、周知の通り、AFCではマレーシア人が会長や事務局長に就任していた時があるが、マレーシアのサッカーは現在、精彩を放っているとは言い難い。FIFAのブラッター会長はスイス人だが、スイス代表がワールドカップで最高成績を残したのは、同会長の就任前のことだ。中国の往年の「名選手」李恵堂氏は、FIFA副会長を務めていた時期があったが、在任中に中国サッカーの実力と国際的地位を引き上げることはできなかった。
結局のところ、サッカーは「実力勝負」であり、人脈で強さが決まる訳ではない。コネクションを頼みの綱とするより、人材の厚さと管理レベルを着実に向上させていく方が、はるかに効果的だ。希少な中国サッカーの過去の栄光を振り返ると、それらは時の利・地の利・人の利によって造られた「ベストチャンス」によってもたらされたものであり、「クジ引きで当たってワールドカップ本大会出場」などという奇跡が起こるはずはない。「後ろ盾」に頼るだけでは、中国サッカーに陽の当たる日はいつまで待っても訪れないだろう。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年5月20日