<企画>朝鮮が中国漁船を拿捕・解放の経緯
中国大連市の個人漁船「遼普漁25222」号が今月初めに朝鮮側に拿捕された。インターネット上で事件が明らかになった後、在朝鮮中国大使館は19日夜に対外的に事実を認めるとともに、漁船と船員を速やかに解放し、船員の生命と財産の安全および合法的権益を適切に保障するよう朝鮮側に要求した。21日朝8時15分、在朝鮮中国大使館職員によると、中国漁船が解放されたという。>>>関連記事へ
拿捕された漁船に乗る船員16人の写真
■事件の経緯
5月5日夜、中国人漁師16人の乗った遼寧省の漁船「遼普漁25222」が朝鮮側に拿捕された。
5月10日、船主の于学君さんが在朝鮮中国大使館に電話で助けを求めた。
5月18日夜、于さんが中国版ツイッター「微博(ミニブログ・ウェイボー)」を通じて助けを求め、中国メディアが注目。
5月20日、外交部の洪磊報道官が「すでに関係ルートを通じて朝鮮側に申し入れを行った」と表明。
5月21日午前3時50分、于さんに船長から、すでに解放されて帰航の途についていると電話があった。
■拿捕は正当なものか
「朝鮮の武装巡視艇に拿捕された時、われわれの漁船は絶対に中国海域内で操業していた!」。船主の于学君さんは取材に自信をもって答えた。「朝鮮の巡視艇の武装人員が乗り込んできた時、遼普漁25222は東経123度53分、北緯38度18分にいた。完全に中国海域内だ」。于さんによると「遼普漁25222」は精確な操業位置を「毎分毎秒」確認できるよう、GPSと「北斗」の両測位システムを搭載している。遼寧省の漁政当局と漁業会社も海上で操業する全ての漁船の位置を監視している。「たとえ不注意で朝鮮海域に近づいてしまっても、当該海域から離れるよう漁政当局からSSBその他の通信方式で警告が来る。遼普漁25222も今年初めに漁政当局から警告を受けたことがあるので、越境して朝鮮海域に入ることは全くあり得ない」。>>>詳細へ
■外交部の声明
5月20日、外交部の洪磊報道官が「中国漁船が拿捕された件について、中国側は朝鮮側と緊密な意思疎通を続けている。すでに関係ルートを通じて朝鮮側に申し入れを行ない、速やかかつ適切に対処し、中国側人員の生命と財産の安全および合法的権益を守るよう求めた」と表明した。
■漁船が解放された
拿捕された漁船「遼普漁25222」の船主、于学君さんによると21日午前3時50分に、すでに解放されて帰航の途についたと船長から直接電話があった。于さんは「外交部(外務省)に感謝します。みなさんありがとう」と語った。>>>詳細へ
■観点-中国の対朝関係は「一は一、二は二」であるべき
中国漁船が朝鮮側に拿捕された事件と、少し前に台湾の漁師が南中国海でフィリピン側に射殺された事件は性質が異なるということを指摘しておかなければならない。南中国海での衝突には中比の領土対立という背景があるが、中朝は異なる。中朝間の問題は、朝鮮側軍警が海上境界線の曖昧さを利用して中国の漁師をゆすっているという方が正確だ。
中国の対朝関係は「一は一、二は二」であるべきだ。戦略レベルの友好関係は維持する必要があるが、末端の摩擦については断じて曖昧にしてはならない。中国はまず具体的な摩擦1つ1つについて、道理に基づき争う必要がある。朝鮮側が道理をわきまえず、さらにはしらばっくれる場合は、こちらも姿勢を変え、朝鮮側に加減を知るよう強いるべきだ。>>>詳細へ
(編集YX)
「人民網日本語版」2013年5月21日