ディズニー、中国アニメ「ラビット・ギャング」著作権買収
アニメ「ラビット・ギャング」に登場するまあるい頭のウサギたちは、今年の第19回「上海テレビフェスティバル」で最も輝いたアニメ主人公だった。「ラビット・ギャング」は数カ月前にアニメ巨頭・ディズニーの目にとまり、中国原作アニメが放送開始前に国際アニメ大手から海外著作権の購入を取り付ける先例となった。ディズニーが著作権を買収した初の中国オリジナルアニメでもある。「東方網」が伝えた。
「過去2年の中国アニメ業界の動向で、中国アニメのグローバルドリームに希望が芽生えた」。第19回「上海テレビフェス」白玉蘭フォーラム「国際アニメマーケット、中国の夢」の席上、ニコロデオン・キッズチャンネル中華圏元副総裁の簡寧慧氏は心中を明かした。
■アニメ大国「アニメ強国」にあらず
ディズニーが「ラビット・ギャング」に求愛した昨年は、中国アニメにとって「分岐点」だった。国内アニメ年間製作量は前年の26万分から22万分へ約15%も急減、2008年以来で初のマイナス成長、アニメ制作会社数も同様に初めて減少に転じた。
もっとも業界関係者にとっては、これはむしろ「朗報」に映った。「生産量の減少は中国の映画・テレビ・アニメ産業が単なる生産量・規模を追い求めていた段階から、作品のクオリティーと収益効果を重視し始めた転換期」と第9回「中国国際アニメフェスティバル」執行委員会の翁衛軍・主席。2010年、中国は日本を抜き世界一のアニメ製作大国となったが、グローバルな影響力を有する作品は少なく、国内業界にとって共通の大きな「壁」だった。
■品質意識が必要な中国アニメ
「単に数を追う時代は過ぎた」。上海旋動伝播株式有限公司の葉超・副総経理(副社長)は、「業界内の観点が明確化しつつある。従来のアニメは傑作ではなく駄作だった。アニメ専門チャンネルが放送する作品には、放送需要を満たすために無理して買い付けた『駄作』が多かった」と述べる。
葉氏の上海旋動は「ラビット・ギャング」の生みの親だ。「『ラビット・ギャング』は昨年のカンヌ国際映画祭でデビューした。それまで国産アニメの海外大型マーケットでの成績は芳しくなく、当時は誰も期待していなかった。上映後、ディズニーアジア太平洋部門購買ディレクターから買い付けオファーをもらうとは、思ってもいなかった」
「ラビット・ギャング」まで、ディズニーが中国アニメ著作権買い付けに動いたことはなかった。「喜羊羊与灰太狼(シーヤンヤンとホイタイラン)」でさえ、ディズニーとの協力はキャラクター授権に限られていた。しかし「ラビット・ギャング」がディズニーの目にとまったことは「予想外」だったが、さして驚くことでもなかった。「『ラビット・ギャング』のクオリティーは超越した。視聴者の抜群の反応、そして中国国際アニメフェス『ゴールデン・モンキー・キング』賞など、多くの品質部門大賞を受賞した」