屈原の故郷・湖北の端午節、ちまきとドラゴンボート
端午節は中国漢族の伝統的な祭日で、華夏各地に伝わり、民俗風習として広く親しまれている。紀元前の詩人・屈原の故郷、荊楚文化の発祥地のひとつ湖北では、ちまきを食べ、ドラゴンボート競漕を観戦、よもぎの葉を掛け、中薬となる植物・オケラを蒸し、黄酒を豪快に飲むなど、端午の最も伝統的な習俗がいまも受け継がれている。端午節休暇に武漢を訪れドラゴンボート競漕を見て、独特な美味のちまきを味わい、屈原の故郷で「屈原祭祀大典」を見物するのは逃せまい。
東湖聴濤景勝区は武漢市内の納涼避暑地として、水に親しみ癒やされるのに絶好の場所だ。風光明媚で、湖の中ほどに浮かぶ小島に建てられた湖光閣は、十里長堤で渡ることができる。楼閣に登ると四方が見渡せ、市民がボート遊びを楽しむ光景が広がる。また景勝区内の行吟閣、橘頌亭、滄浪亭、湖濱客舎などの観光スポットも見どころ満載だ。
目玉は当然、9日から12日まで東湖聴濤景勝区が開催する「2013年武漢東湖端午文化フェスティバル」だ。激しい夏の日差しの下、各業界が集まったドラゴンボートが東湖で競漕する。観光客にとって見逃せないレース、街中の人々が押し寄せ、応援合戦を繰り広げる。各ボートの選手達が鼓手の太鼓に合わせて一斉に船を漕ぎ出すと、静かな湖面に激しい水しぶきが飛び散り、場内は盛り上がる。ドラゴンボートのほか、「端午文化フェスティバル」期間中、東湖景勝区では多種多様な端午の習俗パフォーマンスが上演される。観光客はパフォーマンスを楽しみながら、地元ならではの風味のちまきを味わい、荊楚地方の祭日ムードを心ゆくまで満喫できる。
鮮やかなドラゴンボート競漕観戦後は、シ帰県の「屈原郷里景勝区」を訪れるといい。端午期間中、大がかりな「屈原祭祀大典」が催される。祭祀者らは五色の古服に身をまとい、五毒(サソリ・ヘビ・ムカデ・ヤモリ・ヒキガエル)の無害を祈り、黄酒を飲み干し、香袋を人々に配る。この2千年続く屈原を祀る伝統の礼式は、シ帰県の悠久の歴史の端午文化の源を身近に感じさせる。(編集HT)
「人民網日本語版」2013年6月6日