中国宇宙ステーションの船外宇宙服、寿命延長へ
3月21日、有人宇宙船「神舟19号」の宇宙飛行士である蔡旭哲氏および宋令東氏が中国の宇宙ステーションの船外宇宙服を着用し、3回目の船外活動を無事完了した。科技日報が伝えた。
中国宇宙飛行士科学研究訓練センターの劉東岳氏は、「現在、宇宙ステーションの船外宇宙服は性能が良好で状態も安定しており、これまでに計19回の船外活動を順調に支援してきた。単一の宇宙服の使用回数は最大17回を記録しており、『3年間で15回』という設計寿命の指標を上回る成果を達成している」と説明した。
同センターによると、宇宙服が設計寿命の指標に達した後、研究チームは定期的に寿命評価を実施し、地上と宇宙を連携させた科学的かつ合理的な宇宙服の健康モニタリングおよび寿命評価システムを構築している。また、寿命の制約要因を体系的に特定し、宇宙服の寿命向上に向けた改良を進めることで、リスクを管理しつつ使用寿命の延長を実現している。
現在までに、中国の宇宙ステーション船外宇宙服は、中国初の軌道上での寿命評価が行われた宇宙製品だ。集約的かつ効率的な原則に基づき、寿命延長の目的は、宇宙服の軌道上での運用効果を最大化し、プロジェクトのコストを削減することだ。
船外宇宙服は、宇宙飛行士が船外活動を行う際の中核装備であり、船外作業中の生命安全と作業効率を確保する役割を果たす。中国の宇宙ステーションの船外宇宙服は第二世代の「飛天」船外宇宙服であり、その設計基準では「軌道上での保管期間3年、期間内の船外使用回数は15回以上」となっている。第一世代の「飛天」船外宇宙服と比較すると、第二世代は使用期間の延長、安全性・信頼性の向上、機動性の強化、軌道性と柔軟性が優れており、テストとメンテナンス性も強化されているといった特徴があり、宇宙飛行士による船外活動をより安全かつ効率的に実施できるよう設計されている。(編集ES)
「人民網日本語版」2025年3月25日
注目フォトニュース
関連記事
- 哈爾浜工業大学「地上宇宙ステーション」、運用開始1周年
- 中国の宇宙ステーション、新たな生命体「プラナリア」を迎える
- 中国、パキスタン人宇宙飛行士の中国宇宙ステーションへの搭乗を計画
- 有人宇宙船「神舟18号」乗組員、宇宙から帰還後初の記者会見
- 中国の宇宙ステーションが開設2周年、初の「業務総括」が発表
- 「神舟1号」打ち上げ25周年に際し、「神舟19号」の乗組員から祝福メッセージ
- 宇宙貨物船「天舟8号」の打ち上げ任務が無事成功
- 葉光富飛行士の宇宙滞在日数が計375日に 中国最長
- 中国の宇宙ステーション、軌道上で100件以上の科学・応用プロジェクトを実施
- 「宇宙ステーション運動会」開催 宇宙飛行士から五輪選手へエール
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn