世界の人民元建て決済の比率が過去最高に 人民元がより取引の活発な通貨に
写真は人民元と米ドルを数える銀行員。
国境を越えた取引の決済のうち人民元の占める割合が徐々に上昇し、国境を越えた投資・融資活動における動きがますます活発になっている。ここ数年、人民元は国際化の動きが絶えず深く多層的に推進され、世界における吸引力が上昇を続けている。新華社が伝えた。
国際銀行間通信協会(SWIFT)がまとめたデータによると、今年7月には世界の決済通貨に占める人民元の割合が4.74%に達し、記録を取り始めてから最高のレベルに到達した。スタンダードチャータード銀行のグローバル研究報告も、「7月のスタンダードチャータード銀行の人民元グローバル指数(RGI)は5ヶ月連続での上昇となり、今年に入ってからの上昇率は17%に達した」と伝えた。
越境取引決済で人民元を使用する企業がますます多くなるのにともない、越境人民元業務の「実体経済に奉仕する」役割が絶えず強化されている。
今年3月には、浙江省義烏市格美家用電器有限公司がドバイ市場を通じて対外貿易における初の通貨直接決済を行った。海外のバイヤーが支払った代金を海外の銀行を通じて米ドルに交換する必要もなければ、香港地区で決済を行い人民元に交換して中国国内の銀行口座に振り込む必要もなく、第三者決済機関と中国資本銀行の海外支店との協力により、国境を越えた人民元建て決済を直接行った。
同公司の責任者の蔡正浩氏によると、決済の効率が高まっただけでなく、為替リスクを回避でき、手数料分のコスト引き下げにもつながったという。
シンガポール・DBS銀行のチーフエコノミストの紀沫氏は、「ここ数年、人民元の変動幅は世界の主要通貨の変動幅より小さく、貿易決済で人民元が使用される割合が年々上昇し、使用されるシーンも徐々に広がっている」との見方を示した。
このほか、中国人民銀行(中央銀行)も外資・対外貿易の安定、新型オフショア貿易、対外貿易の新業態・新業務などの越境人民元支援政策を相次いで打ち出して、貿易収支における人民元建て決済の割合が上昇を続けるようバックアップしてきた。
人民銀行のデータによれば、今年1-7月には中国のすべての物品取引の越境決済において、人民元建て決済の割合は27%となり、2023年全体の割合を2ポイント上回った。
越境取引決済だけでなく、人民元は越境投融資活動の中でもますます活発な動きを見せ、中でも債券をめぐる動きが突出している。
人民銀行によると、今年7月末現在、海外機関が保有する中国国内で発行された人民元建て債券の残高は、前年同期比37%増の4兆5000億元(約91兆1119億円)に達した。
融資については、人民元レートが下がったため、より多くの経済主体が人民元を使用して融資を行うようになり、パンダ債と点心債(ディムサム・ボンド)の残高が大幅に増加した。国際決済銀行(BIS)が発表したデータでは、今年3月末現在、人民元建て国際債券のストックは22年同期比77%増の2195億ドル(約31兆5443億円)になった。SWIFTのデータでは、7月のグローバル貿易融資に占める人民元の割合は初めて6%に達し、2ヶ月連続でユーロを超えて2位になった。
現在、オフショア人民元市場が安定的に発展し、人民元の「友情の輪」が絶えず広がりを見せている。人民銀行は31ヶ国・地域の人民元建て決済業務を行う銀行33行に権限を授与し、調印した有効な二国間通貨互換協定は29件に上る。
人民銀行は次の一歩として、貿易投資の円滑化に焦点を当て、本国通貨と外貨の協調を強化し、経営主体の越境人民元建て決済処理の利便性をさらに向上させるとしている。人民元オフショア市場の流動性供給メカニズムを整備すると同時に、越境人民元業務の監督管理をさらに強化し、人民元国際化が安全面でのボトムラインを守ることを前提として安定的に慎重に進められるよう保証するという。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年9月5日
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