新疆の「砂漠」で育ったカニの出荷スタート

人民網日本語版 2024年09月02日15:34

塔克拉瑪干(タクラマカン)砂漠では現在、カニが養殖されている。

タクラマカン砂漠の南部に位置する新疆維吾爾(ウイグル)自治区和田(ホータン)県にあるアルカリ性の砂地では植物はほとんど育たないものの、そこには、水産養殖に必要な養分が豊富に含まれている。技術者の努力が実り、同県は砂漠におけるカニの養殖に成功し、県民の暮らしを豊かにする道を模索している。

和田県英艾日克郷にある約66.7ヘクタールの水産養殖拠点に足を運ぶと、カニを養殖する作業員が、カニ籠を引き上げていた。水揚げされたカニは光沢があり、活きがよかった。それは今年4月に、江蘇省から空輸されてきた3万トンの稚ガニを4ヶ月以上かけて育てたカニで、すでに出荷できるまで成長している。

アルカリ性の砂地で育つ植物はほとんどないものの、水産養殖に必要な条件は揃っている。例えば、適度な塩分はカニの成長を刺激し、肉質はうまみたっぷりになる。カニの養殖に使われている水は主に、近くの川・玉竜喀什(ユイロンカシー)河から引き込まれている。増水期になると、川から水を養殖池に引き込み、科学的な養殖技術を活用して、カニが生きられる環境を作り出している。

新疆維吾爾自治区水産科学研究所の統計によると、同自治区全域には現在、カニ養殖拠点が数十ヶ所ある。通常、春から稚ガニを育て始め、8月末から9月初めにかけて集中的に出荷される。水域面積が200ヘクタール以上の養殖の条件を満たすダムでもカニが養殖されており、水域の広い湖やダムをメインとし、田んぼをサブとし、池を補充とする養殖構造がほぼ確立されている。

新疆のある水産企業の責任者・王娟氏は、「ここ数年、新疆の活エビや活カニはオンラインでも、オフラインでも売れ行きが好調で、出荷が始まったカニは、供給が需要に追いつかないほどの状態で、時価となっている。今年の秋、カニやサーモン、ホワイトフィッシュ、バナメイエビなどの水産品市場は非常に活況で、中秋節(旧暦8月15日、今年は9月17日)前後が、その販売のピークとなる」と説明した。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年9月2日

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