トマトと卵の炒め物に魅せられて中国に留まったフランス人シェフ
かつてフランスのミシュラン三つ星レストランで働いていたシェフのコレンティン・デルクロワさん(中国語名は戴広坦)は、今や中国生活が17年間に及ぶ。デルクロワさんにとって中国料理は東洋料理の最高峰であり、中国料理とフランス料理を組み合わせることも非常に好んでいる。中央テレビニュースが伝えた。
「中国は本当に不思議な国。地域ごとに食文化が異なる」
フランス人シェフであるデルクロワさんの料理人生は、フランスのミシュラン三つ星レストランから始まった。彼はフランス料理がお手の物であるだけでなく、中国料理への関心も極めて高かった。中国に来た後、そのまま留まることを選んだのは、一皿の「番茄炒蛋」(トマトと卵の炒め物)に魅了されたからだ。「素晴らしく美味しかった!」とデルクロワさんは言う。
淡白な江蘇省や浙江省の料理からピリリとしびれて辛い四川料理まで、中国の豊かな食文化は、味覚を満足させるだけでなく、デルクロワさんに創作へのインスピレーションを与え続けている。
ネット上で「戴広坦」の名前で発信しているデルクロワさんのショート動画を観たことのあるネットユーザーも少なくないだろう。ここ数年、デルクロワさんは中国料理とフランス料理を融合させた創作料理を発信し続けると同時に、グルメブロガーとしてSNS上で創作料理をシェアし、100万人以上のフォロワーを獲得している。
「各国の料理の優劣を競う必要はない。私たちは互いに学び合うことができる」
デルクロワさんにとって、中国料理とフランス料理はそれぞれの文化を完璧に体現している。フランス料理はその洗練された盛り付けと緻密な調理技術で世界に知られ、中国料理はその豊かな味わいと柔軟な調理方法で有名だ。
明確に異なる2つの調理理念が出会うと、どのような「化学反応」が起こるのだろうか?
デルクロワさんは、東西の食文化の融合の可能性を探求し続けている。その試みの一つが「梅干菜ビーフ・ウェリントン」という料理だ。
彼は中国の伝統的食材である梅干菜と、フランスのクラシック・ディッシュのフォアグラ、そして英国の有名料理のビーフ・ウェリントンを巧みに融合させた。キノコソースに塩味の梅干菜を加え、柔らかく滑らかなフォアグラ、バターたっぷりで焼き上がりがサクサクのパイ生地、ミディアムレアのビーフステーキを組み合わせた一品は、一口ごとに中国文化と西洋文化の完璧な融合を味わえ、独特の風味を生み出している。
デルクロワさんは「美食の融合は、文化の交流と相互参考をある程度反映している」と語る。中国人が生活の質を向上させ、仕事と生活のバランスを追求しているように、西洋人もまた中国人の活力と効率を学んでいるのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年7月29日
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