2024中関村フォーラム年次総会、世界最薄の光学結晶が発表
石英ガラス板の上で、厚さがわずか1−3マイクロメートルの光学結晶である「回転角菱面体晶窒化ホウ素」は蝉の羽ほど薄いが、エネルギー効率は従来の光学結晶の100倍から1万倍に向上した。これは中国の科学者が発明した、世界で知られている最も薄い工学結晶だ。25日に行われた2024中関村フォーラム年次総会の開幕式で、この結晶が重要成果として発表された。新華社が伝えた。
溶融石英上の「回転角菱面体晶窒化ホウ素」。(画像提供は取材先)
北京大学物理学院の劉開輝教授は、「レーザー技術のブレイクスルーは光学結晶という特殊材料に強く依存する。従来の光学結晶は限りある厚さで効率的にレーザーを出すことが難しいため、より軽く薄い光学結晶の製造が各国の科学者が競う研究開発の焦点になっている。中国の科学者はいくつもの組み合わせを試し、軽い窒化ホウ素を最適な選択肢にした」と説明した。
「回転角菱面体晶窒化ホウ素」のその場の加工・検査システム。(画像提供は取材先)
しかし、実験では、窒化ホウ素を一層ずつ積み重ねるとレーザー通過時に「足並みの乱れ」、つまり位相不一致が生じる。これはレーザーの効率的な出力を妨げ、光学結晶としてレーザー装置の製造に直接用いることができない。
北京大学物理学院量子材料科学センターの王恩哥院士、物性物理学・材料物理学研究所の劉開輝教授、洪浩特任准研究員などの研究者は、新たな結晶設計方法を生み出した。1つの菱形窒化ホウ素材料をルービックキューブのように特定の角度に回転させることで、積み重ねられた光学結晶がレーザー通過時のエネルギー消耗を減らし、必要なレーザーを効率的に生み出すことができる。
中国の科学者が初めて打ち立てた結晶設計理論と製造方法を結びつけることで、光学結晶を1−3マイクロメートルに「スリム化」させた。一方で、従来の光学結晶の厚さはミリメートル級からセンチメートル級。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年4月26日
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