農村の子供たちにストリートダンスを教えるボーイッシュな先生
湖南省邵陽市隆回県の小学校の古く簡素な教室で、下はジーンズ、上はパーカーというラフな服装で、ショートカットの女性教師が児童十数人と一緒に、リズミカルな音楽に合わせて、元気いっぱいダンスを踊る動画が最近、中国のネット上で大きな話題となっている。ネットユーザーからは、「ボーイッシュな先生、カッコイイ」との声が寄せられている。
動画の中で踊っていた教師の夏子然さん(23)も隆回県出身で、「ダンスを通して、児童たちがもっと大きな世界を見ることができることを願っている」と話す。
児童と一緒に写真に写る夏子然さん(写真提供・夏さん本人)。
湖南第一師範学院の音楽学科を卒業した夏さんは2021年9月、試験に合格して、生まれ故郷の小学校の教師となった。
大学時代にストリートダンスを独学で練習していたという夏さんは、クラスの担任教師として授業を行うほか、体育や美術、ダンスなども児童に教えており、児童たちにとってはまさに「最高にイケてる何でもできる先生」なのだ。
毎週水曜日と木曜日は、放課後のチャイムが鳴っても、児童たちは急いで家に帰ろうとはせず、校舎2階にある「放課後活動室」にすぐに集まって来る。そして、「夏先生、ドアを早く開けてください。ストリートダンスを踊りに来ました!」と大きな声で先生を呼ぶのだという。
前一面に鏡が設置された20-30平方メートルの小さなそのダンス教室は、簡素であっても、子供たちにとっては楽園そのもの。
一生懸命にダンスを練習する児童たちの純朴な姿に、夏さんは心癒されるのだという。そして児童たちには、「ダンスを練習しながら自分らしさを見つけ、勇敢に、自分の大好きなことをして、自分らしく生きてほしい」と伝えている。
ボーイッシュな夏子然さん(写真提供・夏さん本人)。
ダンスを踊り始めたばかりの頃は、動きを間違えたり、ぎこちなかったりして笑われるのが怖く、顔を上げて鏡に映る自分を見るのをためらう児童も多かったものの、練習を通じて、夏さんは児童一人一人にやさしくダンスを教え、励まし、児童たちと一緒になって踊った。「児童の多くが留守児童(両親の出稼ぎで、農村部に残された子どもたち)。ダンスに接したことはほとんどなく、自信がなかったため、チャレンジすることにも及び腰だった」と夏さん。
ダンス教室を開設したばかりの頃は、参加する児童もあまりいなかったが、3年経った現在では、100人以上の児童が参加するようになり、上達の程度に合わせて4クラスに分けるまでになっている。忙しい毎日を送る夏さんは、「児童たちは今、見違えるほど自信にあふれ、明るくなった」と充実感を漂わせていた。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年3月29日
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