マッキンゼー中華圏代表「革新的競争が激しい中国市場、出遅れる外資はチャンス失う」
多国籍企業はなぜ中国への投資を選択するのか。マッキンゼー・アンド・カンパニー中華圏の倪以理代表は24日、取材に対し、「中国へ投資するのは、中国市場では革新と技術が絶えず向上するためで、世界には中国市場よりも激しい革新的競争が行われている場所が一つもなく、中国で出遅れれば、チャンスを失うことになる」と述べた。
同日には中国発展ハイレベルフォーラム2024年年次総会が開催された。倪代表は総会の開催中に、「中国の海外直接投資(FDI)額は約20年にわたり目覚ましい動きを見せてきた。現在は全体として外資導入額が前年同期比減少したものの、歴史的高水準を維持し、短期的な外資減少という変動の影響は大きくない」と述べた。
中国商務部(省)がまとめたデータによれば、23年1-2月の中国の実行ベース外資導入額は歴史的に高い水準の2684億4000万元(1元は約20.9円)に達し、今年同期は減少したものの、過去約10年間で3番目に高い水準だった。
倪代表は、「ここ数年、中国経済の成長率は『ギアチェンジ』の時期を迎え、トランスフォーメーション・高度化の中で質の高い発展に向かい、多国籍企業も再評価が必要だ。たとえば中国での投入と産出の比率はどうかを考え、将来の中国での事業展開を再検討する必要がある。しかしグローバル市場と比較してわかるのは、中国の巨大な市場、革新的競争はいずれも他の場所で『代わり』を見つけるのが困難だということだ。事実、外資の対中投資ニーズは引き続き旺盛で、さらには競争が一層激しくなっている」との見方を示した。
倪代表は、「他の多国籍企業の最高経営責任者(CEO)と話し合う際に、CEOたちが中国市場を依然非常に重視している。ただ、以前は生産量により注目し、中国で製造した後に世界へ輸出している。現在は物品を輸出するだけでなく、イノベーション技術や知的財産権などもより多く輸出していることがわかった」とした上で、「これは私が次の段階でより期待できると考えている部分だ」と述べた。
また倪代表は、「中国で長期的な発展を実現したければ、外資系企業はどうすれば『長所を伸ばし短所を抑えられるか』を深く考えなければならないし、中国にすでにある先端技術と優れた人材を上手に利用して企業の発展をエンパワーメントするにはどうしたらよいかも考えなければならない。同時に、より多くの地域で新たな投資機会を見つける必要もある」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年3月25日
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