中国の新型米加工システム、胚芽保有率95%を達成

人民網日本語版 2023年12月27日15:09

黒竜江省科学技術庁によると、哈爾浜(ハルビン)工程北米科技有限公司が担当する黒竜江省重要科学技術成果実用化プロジェクト第1弾「活性胚芽米スマート加工技術産業化初期段階建設」が、同庁の検収に合格した。同プロジェクトは米の胚芽保有率95%を実現し、日本の80%の基準をはるかに上回った。同プロジェクトの成果は世界トップレベルに達した。科技日報が伝えた。

胚芽米とは現代加工技術により胚芽部分を残した精米のことだ。胚芽は米1粒全体の質量の2-3%しか占めないが、米の66%以上の栄養物質を含んでいる。そのため米の胚芽は「栄養の金」と称えられている。日本は1920-30年代より胚芽米の食用を開始した。その胚芽保有技術により胚芽保有率が80%を達成し、世界をリードした。胚芽が非常に細かいため、一般的な生産技術では識別と剥離が困難だ。技術的な要因に制限され、中国市場では真の胚芽米が大量流通することは稀だった。

哈爾浜工程大学の李氷教授は2014年に稲育種装置自動化改造プロジェクトを実施した際に胚芽米のことを知った。李氏の調査によると、当時は日本にしかその加工設備がないため、中国人自身の胚芽精米機を作ることを決めた。

李氏のチームはその後、中国で初めて人工知能、ビックデータ、視覚識別、インダストリアルインターネット技術を稲の加工に応用した。チームが10年かけて研究開発した活性胚芽米スマート加工システムは粗繊維正確剥離技術、胚芽スマート識別技術、加工データ・加工技術の正確なマッチング技術など、一連の重要な技術的難題を解決した。同システムで加工された稲の胚芽保有率は95%に達した。同システムは黒竜江省重点分野で初のイノベーション製品奨励を獲得した。

李氏は、「従来的な稲加工では圧力をかけ、米粒の相互作用により剥皮・精白が行われる。我々がするのは糠層を取ると同時に胚芽を最大限に留めることだ」と述べた。

チームは胚芽の特徴に基づき米粒リアルタイム検査技術を研究開発した。その視覚検査の正確率は97.2%に達した。チームは加工中に種類や形が異なる米が混ざり癒着する問題に対して、分割モデルを模索・構築し、1粒ずつの検査と抽出を実現し、米の一粒一粒が「見える」ようにした。チームはこれを踏まえカスタマイズされたもみすりプロセスを研究開発し、すべての米粒が数百回やさしくもみすりされるようにし、最終的な胚芽保有率と胚芽完全度を95%以上に保った。

李氏は、「活性胚芽米スマート加工システムにより稲の損失を3-5%減らせる。この技術が普及すれば、全国の稲の加工段階での損失を毎年295万トン削減できる。これは600万人の1年分の食糧に相当する」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年12月27日

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