プラスチックに代わる絶好の素材 竹が代替品になる日はいつ?
プラスチック汚染の全チェーンのガバナンスを深く推進し、プラスチックから竹への置き換えの発展を急ぐため、国家発展・改革委員会などの当局はこのほど「プラスチックから竹への置き換え発展加速3カ年行動計画」を通達し、2025年までにプラスチックから竹への置き換え産業体制をおおよそ構築するなどの行動目標を打ち出した。光明日報が伝えた。
同「行動計画」によると、25年までにプラスチックから竹への置き換えの製品の質、製品の種類、産業の規模、総合的な効果をさらに高め、重点製品の市場シェアを大幅に上げる。プラスチックから竹への置き換え主要製品の総合付加価値を22年より20%以上高め、竹材総合利用率を20ポイント高める。
竹は中国で古くからエンジニアリング素材として活用されてきた。2000年以上前の都江堰は「石筏」(竹で編んだ籠に石を積むこと)により堤防を固め、河岸の浸食を防止した。後漢時代(25-220年)には竹管をパイプとした農地の灌漑が行われた。1950年代にはさらに建築や交通などの多くの事業に応用されるようになった。
武夷山の西の麓に位置する資渓は、中国のモウソウチク重点生産エリアの一つだ。江西省撫州市資渓県工業パーク党工委書記の李宏明氏は、「竹には(1)再生可能で成長が早い(2)分解可能で汚染と廃棄物が生じない(3)炭素固定能力が一般的な木材よりも優れているという3つの環境保護の注目点がある。竹林の炭素固定能力は杉林の1.46倍、熱帯雨林の1.33倍だ。科学的で合理的な伐採は竹林の成長を損ねないどころか、竹林の構造を調節し、竹林の質を高めることもできる」と述べた。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標のうち、「貧困をなくそう」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「つくる責任 つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」「陸の豊かさも守ろう」を含む7つが竹と関連している。
統計によると、中国の竹製品は1万種ほどにのぼり、衣食住・移動・使用の各方面をカバーしている。2022年の産業規模は4153億元(1元は約20.6円)で世界をリード。中国の竹分野の特許取得件数と論文数は、いずれも世界の80%以上を占めている。江西省を例にすると、全省の竹林面積は117.7万ヘクタールで、竹加工企業は1400社以上ある。
中国林業科学研究院首席科学者で、国家竹産業研究院院長の于文吉氏は、「中国の竹産業は規模と水準で世界をリードし、比較的整った産業体制を形成している。しかし中国には世界的な競争力を持ち、産業の主導権を握るリーディングカンパニーが欠けている。年間の生産高が1億元を超える大型企業は100社余り、最大企業の生産高は約10億元で、圧倒的多数が小規模・零細企業で大手ブランドが欠けている」と述べた。
さらに、「プラスチックから竹への置き換えは竹産業に大きなチャンスをもたらしている。実際に竹はプラスチックだけでなく鉄や木の代わりにもなり、さらには竹でエネルギーを生み出し、竹を食糧にする可能性も秘めている。科学研究機関、大学、企業は力を合わせ重要な技術問題を解決し、産業の重要設備を研究開発し、先端的な製造モデルを実現する必要がある。竹産業の現代産業体制を構築し、異なる種類の竹の性能による分類と研究を行い、竹材の大規模な産業化利用と集積発展を実現する必要がある」とした。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年11月6日
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