新疆自由貿易試験区が設立、西方向への開放の「橋頭堡」に
写真提供・新疆日報(撮影・崔志堅)
新疆自由貿易試験区が11月1日に設立された。中国で22ヶ所目、中国北西部国境地帯では初となる自由貿易試験区だ。これまでに設置された21ヶ所の自由貿易試験区と比べると、新疆自由貿易試験区は最も西に位置するが、その優位性は明らかであり、5ヶ所の通関地から8ヶ国に通じ、ユーラシアを1つにつなぐことができる。
新疆東西部経済研究院の唐立久院長は「新疆自由貿易試験区は、『一帯一路』(the Belt and Road)イニシアティブ提唱10周年、中国自由貿易試験区建設10周年にあたり設立された最も新しい自由貿易試験区であり、北西部にある国境沿いの省(直轄市・自治区)で唯一の自由貿易試験区でもある。2013年9月29日に中国初の自由貿易試験区が上海で設立されて以来、自由貿易試験区は拡大を続け、現在では東部・西部・南部・北部・中部をカバーする試行地の構造がほぼ出来上がっている」と語った。
新疆自由貿易試験区は、烏魯木斉(ウルムチ)エリア、喀什(カシュガル)エリア、霍爾果斯(ホルゴス)エリアの3エリアから成っている。これまでの自由貿易試験区が通常120平方キロメートル以内に限られていたのに対し、11月1日に設立された新疆自由貿易試験区は179.66平方キロメートルに達している。国務院が10月31日に通達した「中国(新疆)自由貿易試験区全体計画」は、新疆自由貿易試験区により大きな改革自主権を与え、3-5年の模索を経て、高い基準と質の自由貿易パークにすることを目指すとした。
「計画」では、新疆と中央アジア諸国との経済・貿易協力に最も多く紙幅が割かれている。これには中央アジアの周辺諸国も含まれており、西へと向かって「一帯一路」沿線諸国へと延伸するものだ。「計画」は新疆自由貿易試験区について、貿易の円滑化、周辺諸国との経済・貿易協力の強化など25の面で具体的な措置を明確にしている。これには、中央アジアなど周辺諸国からの農産物、食品、中医薬原料の輸入拡大、こうした国々との農業・エネルギー・資源・環境分野での共同研究所設立の検討、エネルギー資源、新素材、特色ある医薬、農産物栽培などの分野における中央アジアなど周辺の「一帯一路」共同建設国に対する企業の投資への支援が含まれる。
新疆維吾爾(ウイグル)自治区人民政府の孫紅梅副主席は11月1日、商務部(商務省)で開いた記者会見で、「新疆はユーラシア大陸の内陸に位置しており、我が国の西方向に向けた開放の最前線及び戦略的門戸であり、『一帯一路』の中核エリアでもある。新疆自由貿易区の設立後、新疆の独特な地理的優位性を発揮し、中国の西方向への開放の『橋頭堡』を築く必要がある」と指摘した。
広東インド太平洋平和・発展研究院の発起人である熊韶輝博士は「『橋頭堡』とは、ここから開始して遠方へと延伸することを意味する。中国の西方向への開放の『橋頭堡』として、戦略的奥行きのために強大な経済的後背地を持たねばならず、この点において新疆は代替不能な優位性を持つ。中央アジア及び周辺諸国と農業・エネルギー分野で協力し、中国の食糧安全保障とエネルギー安全保障を確保するうえで、新疆は最良の戦略拠点だ。従って、この時期に新疆に自由貿易試験区を設立したのは非常に良いタイミングだ」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年11月2日
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