生活動作能力が高いのはよく「過去を思い起こす」高齢者 北京市高齢者健康研究報告書が発表

人民網日本語版 2023年10月27日15:22

北京は既に高齢社会に突入している。24日に開催された第8回シニアケアサイエンス・イノベーション国際フォーラムで発表された「北京市高齢者健康研究報告」によると、同市の高齢者の70%は基本的日常生活動作能力が正常で、主観的幸福感は全体的に良好だ。また、よく「過去を思い起こす」高齢者は、基本的日常生活動作能力などが際立って高い。北京日報が報じた。

北京市の高齢者の健康状態を知るために、北京市科学技術研究院は2018年から、関連項目の研究を始め、同市16区の60歳以上の高齢者2400人を対象に調査を展開してきた。

アンケートの「幸せですか?」という質問の回答を見ると、同市の高齢者の主観的幸福感は全体的に良好であることが分かる。男女別では、女性の主観的幸福感のほうが高くなっている。

報告書によると、年齢は高齢者の身体や心理、社会的役割に影響を及ぼす重要な要素だ。男女別では、女性高齢者のほうが、基本的日常生活動作能力や主観的幸福感、客観的認知機能、社会的役割といった面で目に見えて優れている。報告書は、「状況が許すのであれば、男性高齢者に対して、他の高齢者と共に積極的にコミュニティの活動に参加するよう働きかけるべきだ」と指摘している。

既婚の高齢者は、生理、主観的幸福感、主観的・客観的認知機能といった面で、未婚の高齢者よりも目に見えて健康であり、さらに子供の数は高齢者の身心の健康、幸福感と密接な関係がある。北京科学技術研究院スマート養老研究所の副研究員・邢新主氏は、「未婚や配偶者と死別した高齢者、及び子供のいない高齢者に、重点的に関心を寄せ、サポートしなければならない。また、子供がたくさんいる高齢者は家庭内の各種問題に直面すると、不安になったり、落ち込んだりする可能性がある。各コミュニティで定期的に専門家を招いてカウンセリングを展開し、高齢者のメンタルケアをするといいだろう」との見方を示す。

また、報告書の統計によると、よく「過去を思い起こす」高齢者が基本的日常生活動作能力や身体能力、客観的認知機能などが際立って高い点は注目に値する。邢氏は、「心理療法『回想法』は、高齢者のうつ症状を効果的に抑える、または和らげるほか、高齢者が危機や生活の変化に対応できるようサポートできることが証明されている。高齢者は適度に過去を思い起こすことで、身体機能や認知能力をより良く維持できる」としている。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年10月27日

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