腐心して誤魔化しても、原発汚染水海洋放出の危害は除去できない
日本の原発汚染水海洋放出計画の正当性、合法性、安全性は国際社会から疑問視され続けており、日本国内及び周辺諸国からは抗議の声が随所から上がり、国際社会の反対の声も絶えない。本来であれば、日本は国際社会の懸念に真摯に対応し、科学的で安全かつ透明性ある方法で原発汚染水を処分するためにあらゆる努力を払ってしかるべきだ。しかし、日本は腐心して誤魔化す事に力を入れ、国内外で集中的なPR・ロビー活動を行うことで、「原発汚染水の海洋放出は安全・無害」という幻想を作り出そうとしている。このようなやり方は、日本は世界の海洋環境と人々の健康には関心がなく、自国の利益のみを考えているという利己的な意図を余すところなく露呈している。(人民日報「鐘声」国際論評)
日本による原発汚染水海洋放出の強引な推進は、当初から綿密に計画したPR・ロビー活動を伴っていた。2012年に設立された日本の復興庁は、被災地の復興作業を担っているが、同庁には毎年、福島原発事故の影響はすでに除去されたというメッセージを人々に吹き込むために専門のPR活動費が割り当てられている。2021年4月13日、日本政府が原発汚染水の海洋放出を一方的に決定した同日、同庁は事前に制作したプロパガンダポスターと動画を公式ウェブサイト上に公開し、原発汚染水中の除去不能な放射性元素を「ゆるキャラ」で表現することで「好感を得よう」と企てた。これは、日本国民と国際社会に大きな不満を抱かせた。福島県民からは「(こうしたプロパガンダは)福島の抱える厳しい現実と完全に乖離している」との声が上がった。 結局、復興庁は問題の作品を削除せざるを得なくなった。
この2年余り、日本は教訓を汲み取るどころか、原発汚染水のいわゆる安全性をめぐり国民向けの一連のプロパガンダ・キャンペーンを続けてきた。日本の多くの新聞やテレビは、原発汚染水のいわゆる安全性に関する広告を大量に掲載・放送し、国民の懸念や反対の声をかき乱し、覆い隠してきた。日本政府はまた、「多核種除去設備(ALPS)」によって処理してもなお多くの放射性核種を含む原発汚染水を再三「処理水」と称し、その汚染的特性や潜在的危害を矮小化しようとしている。日本政府はまた、総額800億円(1元は約20.0円)の特別基金を設立して、原発汚染水の海洋放出によって影響を受ける地域の漁業関連産業に「補償」を行い、いわゆる「補償金」によって問題を解決しようと企ててきた。これもまた、原発汚染水の海洋放出による危害を日本が隠蔽していることの明白な証拠の1つである。
日本はまた、原発汚染水海洋放出計画へのお墨付きを得るため、一部の国々や国際機関、組織を丸め込むためのPR・ロビー活動を強化している。今年4月、G7気候・エネルギー・環境大臣会合の記者会見で、日本の西村康稔経済産業相は「原発汚染水の海洋放出を含む福島原発の廃炉作業の着実な進展は歓迎される」と述べた。だが、ドイツのレムケ環境・自然保護・原子力安全・消費者保護相はその場で、「我々は原発汚染水の海洋放出は歓迎できない」と反論した。日本政府はまた、NATO首脳会議、ASEAN関連外相会議、東カリブ海漁業相会合などの場を利用して、福島原発汚染水の海洋放出計画について弁解を行ってきた。
国内での大々的な世論工作にせよ、国際的なロビー活動や丸め込みにせよ、日本側は努力すべき点を間違えている。関係各方面は、日本による原発汚染水の海洋放出に強く反対し、日本側に海洋放出計画の強引な推進を止め、周辺諸国を含む利害関係者と真摯な姿勢で十分に意思疎通を図り、しっかりとした責任ある方法で原発汚染水を処分するとともに、厳格な国際的監視を受け入れることを要求している。しかし、今までのところ、日本側は原発汚染水の海洋放出計画を独断専行で推進し、他の処分案を十分に検討・論証しないだけでなく、国際社会の懸念に真摯に対応することもなく、その身勝手なやり方で国際社会を失望させている。
国内での大々的な世論工作にせよ、国際的なロビー活動や丸め込みにせよ、日本側の小細工で、原発汚染水の海洋放出に対する日本国民や国際社会の疑念や懸念を払拭することはできない。最近、日本の漁業関係者は原発汚染水海洋放出への反対を繰り返し表明しているし、韓国の野党も書簡を通じて海洋放出計画への韓国民の懸念と反対の声を表明した。フィリピン、米国のニューヨーク、オーストラリアのシドニーなどの日本公館前では、少なからぬ市民が抗議活動を行い、原発汚染水の海洋放出計画の停止を日本側に要求している。日本の原発汚染水海洋放出計画がひとたび実行されれば、国際社会に予測不可能な放射性物質汚染のリスクを押し付けることになることを、人々はよく知っているからだ。
原発汚染水の海洋放出は、人類に危害を及ぼす危険なギャンブルである。日本は国際社会の懸念を直視し、しかるべき道義的責任と国際法上の義務をしっかりと担い、原発汚染水の適切な処分方法を見出すべきである。原発汚染水海洋放出の正当性、データの信頼性、浄化装置の有効性、環境への影響の不確実性などに関する国際社会の懸念を解消する前に、日本は原発汚染水の海洋放出を勝手に始めるべきではない。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年8月11日
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