スイス・ジュネーブで開かれた世界貿易機関(WTO)の補助金・相殺措置委員会の春季会合で、中国代表は米国の差別的な補助金政策・措置を批判し、WTOに対して、こうした補助金措置に対して実効性ある監督を行うよう呼びかけた。新華社が伝えた。
中国代表は「米国の打ち出したインフレ抑制法案には、貿易における歪曲的、差別的な補助金措置が存在する。この法案は環境保護を名目に、保護主義を実行するものであり、一連の政策設計を通じて、巨額の補助金に環境保護の名目を与え、自国企業に不当な競争優位性を与えるものだ」と指摘。
「米国は自由貿易協定を恣意的に解釈し、世界の貿易ルールを深刻に破壊し、重要な鉱産物分野で排他的な小集団を築き、グローバルな産業・サプライチェーンを撹乱している」とした。
また「こうした米国の政策と措置は電気自動車への補助金に関する底なしの競争を生み出し、発展途上国の環境保護へのモデル転換のプロセスを遅滞させ、世界のグリーン経済ガバナンスの断片化を加速させる」と指摘。
米国の打ち出した「CHIPS法による産業補助金の総額は最高で約1100億ドル(1ドルは約134.5円)にも達する。米国が補助金による市場資源の配置に干渉することは、その産業補助金問題における『他者には厳しい』が、『自身には寛大』というダブルスタンダードを体現している」とした。
中国代表はさらに「米国のチップ補助金政策は輸出規制措置を緊密に連係して、『コンビネーションブロー』のように世界の半導体サプライチェーンを深刻にかき乱しており、貿易分野における米国の冷戦思考と覇権的行為を体現している。これは中国側の利益を深刻に損なうだけでなく、米国自身と同盟国を含む各国の切実な利益も傷つけている」と指摘。
WTOに対して、米側のWTOルールに違反する手法への監督を強化し、WTO加盟国が共同で世界の半導体のサプライチェーンの安定性と強靭性を守るよう呼びかけた。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年5月4日